過剰に美化されていた思い出が本来の姿に

2023年5月6日

初めての作家さんでしたが試し読みの部分だけで心を掴まれてしまい、先を読まずにはいられないくらい気になる作品でした。内容も凄く良かったです。ただ…久しぶりに私の感覚とレビューの評価に差があるので、人によっては合わないかもしれません。どうやらポイントとしては「ノンケからBLへの転換理由とその速さ」「女教師の立ち位置や設定」などでモヤッとする場合があるみたいです。私もモヤッとまでしなかったけど、「ノンケ→BL」の流れには一瞬立ち止まるくらいの疑問は無きにしも非ずでした。そうは言っても、そもそも殆どのBL作品がフィクションとファンタジーで出来ていると思っているのであまり気にならなかったです。

キラキラしていた高校生時代とそれぞれの恋心、社会人になっても色褪せない思い出…そういうのって、良くも悪くも過剰に美化されているものだと思います。２人の拗らせていた思いが偶然の再会で動き出し、浄化されて救済されてフィルターのかかっていない本来の思い出になるみたいな。最後はホッと安堵のため息が出るようなお話でした。

現実的で冷静だったり、夢みがちでピュアだったり、若さ特有のコロコロ変わる心情変化やテンポ良い会話が楽しかったです。

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