色は染まれど
」のレビュー

色は染まれど

島田ちえ

私は好き😍

ネタバレ
2023年5月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 教師と生徒の禁断の…という感じはしません。先生が教職に興味がないからでしょうか。燃え尽きた売れっ子画家が友人に引っ張り出され、リハビリがてら非常勤をしている感じです。講師をするシーンはほとんどなく、放課後の美術室が描かれますが美術部の指導をするシーンもほぼなし。講師のシーンはアリバイ程度に数ページ割かれ、殆ど画家としての側面が描かれます。アラーキーの陽子さんとか高村光太郎の智恵子さんとか、ジョンレノンのヨウコさんとか、芸術家は時に特定の誰かから強いインプレッションを受けて傑作を残します。多分、これは燃え尽きた画家が新しいミューズに出会う話。過度な接触も作品作りの刺激と思われゾクゾクします。と言っても、髪を触ったり腕に絵の具を載せたり、画家的な行動が多いし、先生のアクションが増えるのはライバルの男子生徒が現れてから。一枚も描きたくない先生に、一枚だけ描くと言わせ、一枚だけ傑作を書こうと試行錯誤する先生に、佳作で連作を描けばいいじゃないと誘導するヒロイン。そしたらわたしも大人になってるよ!と説得するのがいいですね。優等生らしい。私は好きです!
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