忘れる君との300日
」のレビュー

忘れる君との300日

浅井西

設定は好き

ネタバレ
2023年5月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 内容はとてもきれいなものでしたが、後書きの時系列を見て「ん?計算が合わないような」と謎が出てきてしまい、読後モヤモヤしています。
一年分の記憶がなくなる、とのこと。アラタにとっての最新の記憶は高校の同級生との飲み会ですよね?
彗星が大学1年の冬にきて記憶を失ったなら、一年前は高3の冬が最新の記憶にならないですか?
なのに高校の同級生と「飲酒」含む「同窓会」?本人的には高校生じゃないの?でも「大学の講義が」とか、大学で最低でも一回以上は試験を経験している記憶はあるわけで… 時系列がおかしくないですかね?
海は花火大会以来、てのは覚えていて、告白からの付き合ったことだけを忘れたというのは「辛いこと全部忘れたい」とリヒトが願ったからだとしても、花火大会自体を覚えているならそれは一年以上前の記憶だからではないでしょうか? なら彗星が来たのは大学2年の冬になりません?
でもそれならまた矛盾が出てきます。 一年間の記憶を失う、とあるのにそれ以上前からの記憶がないわけなので。
それに1年なら飲酒を伴う飲み会は記憶が〜以前にアウトですよね…?
幼い頃から好きで告白するために強くなりたくて芸能の仕事をしたのに、念願の恋人期間が半年ほど(作者さんがいう時系列でいうと)で別れ話を持ち出すというのも「えぇ…?」となりました。
本末転倒じゃない?
一日で告白、恋人関係を忘れられるのはリヒトにとって自分がしてしまった「間違った選択」「願い」をずっと突き付けられ続けることなわけで、アラタに対する懺悔的な意味合いもあるように見え、本当にアラタを想うピュアピュアな初恋、告白を何度もするよ、に見えないのです。事務所に言われるがままに別れを切り出したという設定はなくてよかったのでは、と思ってしまいます。 彗星がランダムに人の記憶を持ち去った、の方がリヒトの人間性に好感が持てる感じで…
アラタの父もリヒトに息子を任せっきりの理由が「仕事をしないわけにいかない」てのが「え?リヒトの方が影響力のある仕事してましたよね??学生とはいえそれは休職させてもいいんだ?大学も一緒に休学させて??」とモヤっとしました。
上記モヤっと感と後書きの時系列での矛盾(私の計算ミスかもしれませんが)でスッキリしない読後感になってしまったものの記憶喪失の恋人に何度も告白し続けるよ、という設定は好きです
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