人生七周目の予言者は王弟殿下の寵愛を回避したい
」のレビュー

人生七周目の予言者は王弟殿下の寵愛を回避したい

村崎 樹/小山田あみ

小山田あみ先生の麗しい表紙

ネタバレ
2023年5月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小山田あみ先生の表紙の絵と口絵に釣られて購入した人が多かったのではと思います。4枚ある挿絵は額装されたような線画が周囲を飾っていて、この小説の世界観を美しく表しています。
物語は主人公のルカの目線で終始語られ、流れるように場面が変わっていきます。ですから、ルカが見れない事や知ることができない事については私たちは分からないまま読み進むことになります。
予言者としてトレーネスタンの国の人々から尊敬されているルカが、現在25年周期の生まれ変わりの7回目を迎えているのと同じくして、ウィルフレッド王弟殿下も7回目の生まれ変わりを繰り返しているという推察でいいのでしょうか?彼は1回目に26歳で魔女との闘いの果てに亡くなったと記されています。
魔女の呪いと神様の救いは理解できるのですが、肝心のウィルフレッドのルカの生まれ変わりとの絡み具合が分からなくて、納得できないまま読み終わりました。
主人公の心情が分かって共感できるので、感情移入がしやすいのですが、主人公だけが話す物語は、分からないところが残るのが難点です。
語り手を登場人物にしなかったら、美しく気高い胸を打つような物語になったと思われます。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!