ロマンチック・ラメント
」のレビュー

ロマンチック・ラメント

左藤さなゆき

運命を蹴散らす圧倒的強さと正しさ

ネタバレ
2023年5月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 煌臣はどこでこんな強さを身につけたのか。αだからΩだからとその立場に甘えたり利用したりする人々に嫌気がさしたという事を言ってるけど、しっかり自分を確立してて、周りに惑わされない。これは容姿も能力も人並み以上という自信故かもしれないが、双子である誠臣にはないものだから、個体差というしかない。そして、この強さが、旭は勿論色んな人を結果的に救った、と思う。
運命といえばロマンチックだけど、主治医の先生の言うように本能、遺伝子上の相性の良さ、この場合なら「より良い子孫を残すため」の最適な相手なんだよね。とても動物的。生物としてそれは大事なことだけど、人間はもうそれだけでは生きられない。厄介かもしれないが、感情というものが大きな割合を占める生き物なので、それを無視できない。それを煌臣は力強く、先生は穏やかに訴える。「運命なら何したっていいわけじゃない」は至言。ラブラブシーンも盛りだくさんだけど、いろいろ考えさせられました。
さて、これで完結でもよさそうだけど、そうは書いてない以上続きがあるんですよね?もう旭と煌臣の絆は壊せそうにないんだけど…番解消した誠臣や満留が干渉してくるのか、遊真がまだまだ諦めないのか、あとは社会、親とかとの関わりになるのか、ハッピーエンドなら子供作っちゃうのか…楽しみすぎる。
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