設定が上滑り

ネタバレ

2023年5月15日

このレビューはネタバレを含みます▼ 子役のゆうと同居することになった要因である蓮の子どもが苦手という設定や、京が役者を辞めた理由が薄いというか軽いというか、同居ものを書くためだけの設定といった印象が最後まで拭えなかった。

子どもが苦手になった原因は子ども全般に対してではなく、過去に共演した子役に起因したものだから、ゆうと暮らして子どもに慣れるより、その子役と向き合う方が大事だし、必要だったはず。

京が役者を辞めたのは才能や年齢的な問題があったにせよ、蓮の存在が大きかったのなら京がそう思うに至った役者・蓮の姿を読者にもっと見せてくれないと説得力がまるでない。

同居もののほのぼの物語ならば登場人物の設定は如何様にもできただろうし、主役の三人を含め、主要な登場人物の全てがお行儀よくて心があまり動かない。

ゆうたちと同じ事務所に所属しているはずの蓮が京がマネージャーであることや、ゆうが社長の息子であることを知らないといった描写に違和感を抱き、あの騒動も二人の年齢を考えたら無理矢理すぎると思ってしまい、細かいことが気になってストーリーに入り込めなかった。

一読目はこの作品の良さよりも設定の粗さが目についてしまったけれど、時間を置いて読み返したらまた違った感想になるかもしれない。

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めいさん

(女性/50代) 総レビュー数：49件

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