このレビューはネタバレを含みます▼
宮廷付き仕立て屋ヒーロー×クーデターにより処刑を待つ身になった王女ヒロイン
作者様のローゼの結婚がすごく好きだったので、こちらの作品も購入させていただきました。想像してた以上に何度も泣いてしまいました。本当に良かった。
ヒーロー目線がかなり多くて、他の方のレビューにもあるようになかなか異色のヒーロー。騎士!敵なし!無双!みたいなヒーローも好きなんですけど、喧嘩は10歳くらいの子になら…勝てるかもしれない…みたいな今作のヒーロー。逆にとても良かった。何も悪いことをしていない、国民から愛される王女であるヒロインが理不尽にも処刑される現状、そしてそれを嘆くことも悲しむこともなく王女の仮面をつけたまま、微笑みながら自分の置かれた状況を受け入れているヒロインに怒りをおぼえ、でもその感情が何からくるものなのか自覚はしていないヒーロー。このあたりヒーロー目線からなのが良かった。読みながらこんな状況なのになぜ…ってヒーローと同じ気持ちになりました。だってまだヒロインは18歳?家族も殺されて自分も処刑される、のばしていた自慢の髪の毛も処刑の際に邪魔になるからと切られてしまう。そんな中でいつまでも王女として誇り高くいるヒロインにもどかしく思いました。そこからのヒーローとの別れの際の涙、ヒロイン目線にうつるのが良かった。悲しんでいないわけでも理不尽を怒ってないわけでもなかった。ヒーローに本音をぶつけられたところでまず泣いてしまいました。ヒーローは自信家だし口は悪いし、なのによく泣くのが本当に好きでした。
「バレたら殺されるに決まってるだろうが!」「死ぬよ!ダメだったら、一緒に死んでやる!」で涙がボロボロ出ました。見返りを求めることもなくただただヒロインを助けるために命を懸けるヒーロー。かっこよすぎます。
ヒロインの婚約者である王太子も本当にいい男で、当て馬好き女なので好きすぎる。絶対に幸せになってくれ…と心から思いました。
だからエドガーは戦うのだ。剣と銃ではなく、針と糸を持って。この言葉が本当に心に残りました。本当にその通りで、エドガーは剣も銃も扱えない、権力もない。なのにどの作品のヒーローよりもヒロインのために戦い続けていました。本当に本当にかっこよかった。
ちゃんとハピエン!本当に良かった。おすすめです。余談ですがヒーローは童貞です。神に感謝…