このレビューはネタバレを含みます▼
絵柄が可愛らしくて読みやすいですが、タイトル「出戻り」が示すほろ苦さが、こちらの作品では感じられなくて残念です。
原作のヒロインは王族として矜持を真摯にもつ、賢くて潔くて愛すべきキャラクターです。
結ばれるはずもない護衛への幼い恋を心の奥に閉じ込めて、政略で遠い大国の王の後宮に入ることも納得します。
しかし本作では側室時代の描写が、軽いし雑です。
歳の離れた王に純潔と敬愛を捧げながらも、大勢の妾の一人として王を共有し、妊娠も許されない日々の諦念と平穏がハッピーエンドの伏線なのに、ピントが合っていない。
原作の一読をぜひお勧めします。