雪原の月影
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雪原の月影

月夜/稲荷家房之介

アステ草は? ティスは?

ネタバレ
2023年5月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 壮大な物語。とても興味深く読了。
ただ、あまりにも固有名詞が多くて、それがちょっと大変でした。多数の郡地、そのそれぞれに複数の国、国には数十の領、領には多数の町とそれを上回る数の村。また国ごとに激しく異なる人種、etc. etc.
その上、もちろん様々な立場・肩書の人物たち。
やたらめったら固有名詞…… 泣 (あ、ガンチェの昔の女は名前なかったな)
それぞれの人物が今後も深く関わってくるのかモブなのか、全く判らないので、とりあえず、それら全てを頭の中にメモっていかなきゃいけない。ふぅ💦
まあ、1人の人物、それも寿命200年の人の大活躍の80年以上を詳しく語る物語なので、登場人物のうち40-50人は深く関わってくるので、た〜いへん。笑
でも、それを補って余りある面白さではありました。

ただ、アステ草はどうなった?
クルベール病の原因と判って、国の機関で極秘に研究することも決まった。外見の老化を防ぐだけでなく、若返りすら望めるって話だったよね?
その研究を進める関連で、かなりのページを費やしてるし、まさかフェイドアウトされるとは思わなかったよ。クルベール病は、かなり大きなファクターだよね? エルンストがアステ草を盛られてクルベール病にならなきゃ、この物語は始まらなかったワケで。
ティスだって、それ関係で紹介されて身内になったのに、結局、医師や薬草研究者としての活躍は殆ど語られず、意外な=優れた剣士としての側面ばかりに光が当てられて終わってしまった。
最後の方で、主要人物の没年やその後の人生などが語られる所があって、ティスはそこにも出てきたのに、それなのに本来の仕事の実績には触れられない。

たとえば、アステ草は寿命を大幅に延ばすことまでは出来ないが死ぬ直前までチョー健康で活動できる、ってことで、ガンチェは健康を保ったまま長生きした、とかなんらかの形で…回収して欲しかったな〜。
こんなことならアステ草研究の話なんて出さなきゃ良かったと思う。

それと、基本的に愛情物語だから仕方ないかもだけど、後半やたらと致してる場面ばかりが多くて、ページが勿体なかった。 そんなことなら、アステ草とかティスとか、アステ草とかティスとか、アステ草とかティスとか…
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