愛しいおバカさんたちのエロ配信

人に騙されやすすぎる超お人好しの男が公園で声をかけてきた不思議なアーティストの青年とニセエロ配信をするというお話。
このお話に出てくる子たちがみんな愛しいくらいのおバカさんたちで、読んでいてそのバカっぷりに呆れると同時に心から楽しむことが出来る作品でした。特に晴良の天然バカは振り切っていて、暗く落ち込んでいる時に読んだら、全て吹き飛ばしてくれそうな明るさがあって本当に面白かったです。
お話自体は突拍子もない展開ですが、エロ配信という設定もあり、最初から最後までとにかくエロいです。天の目的がなかなか分からずにモヤモヤした部分もありましたが、天の羞恥心にまみれたエロかわいさは天下一品でした。
芸術家としての理想の生き方を押し付けられ、それに沿った生活を守ることで自分を作ってきた天は、感情が追いつかず、感情が育たないまま孤独に生きてきたのがとても寂しく感じました。ある意味、お馬鹿なくらい自分の感情のままに生きている晴良に出会えて、寂しさを理解してもらえて良かったなと思います。そして、感情よりも先にえちを知ってしまったことで、自分の心の中を見られる方が恥ずかしくなってしまったのかなと思うと少し切なくなりました。それでも、好きな人に自分の心の中を全部見られる恥ずかしさが生まれたのは良かったと思うし、その恥ずかしさを知った天はより可愛くなったと思いました。
最後は好きの意味が良く分からないというおバカカップルの成立？でラブラブっぷりが見られたのは眼福でした。オマケの大説教大会で、登場人物みんなのバカっぷりに喝が入ったのも面白かったです。