うそつきと唇
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うそつきと唇

波真田かもめ

ウソのつき方が尊い……

2023年6月2日
波真田先生の、停滞していたり燻っていたりする人を走らせて、それを感動に繋げて下さるところが大好きです!
先の見えない不安を抱えている時の頼りなさとか、光明を見いだした時の明るさ、そして努力を惜しまない真摯さ。どれもこれも真っ直ぐに胸に届いてきました。
それらを大きな川になぞらえたモノローグで抒情的に表現されているのも胸の奥に響きました。
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さて、表題にもある通り「ウソ」を絡めたお話です。その嘘を、本当は微塵のウソを吐くのさえ罪悪感に苛まれるんだろうな、と思わせるキャラクターに吐かせているのが本当に切ないです。それほどまでに欲しかった、っていうのが尊いです。
そしてギャップ満載の受けくん。クールなのかカワイイのかエロいのか純情なのか。いずれにしてもギャップって大事!って実感しました。もちろんえろにもギャップがいっぱい生かされています。
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主人公が七転八倒したり奇天烈な事があったりしない、堅実に粛々と紡がれた作品だと思います。その中でキャラの心情を丁寧にすくいあげて下さるところが、波真田先生を大好きな大きな理由です。そう再確認できた作品でした。
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