このレビューはネタバレを含みます▼
全4巻。鷹目(攻め)と千里(受け)のテンポの良い掛け合いがとにかく魅力的な作品。鷹目と千里のキャラだけなら★10つけたい。ほんと最高の二人。私が本作で何より共感し、ハートを掴まれたのは、1巻のかなり最初のほうで、鷹目が「たばこは大嫌い、憎んでいるといってもいい」、といったこと。ほんとこれ共感しかない、わかりすぎる。私も心の底からたばこが大嫌い。憎んでいると言ってもいい。街中でいまだたまにみかける歩きタバコ、見かけるたびに腹の中で最大限の毒をはいている私は、この鷹目のモノローグで、一気に鷹目という人間が大好きになった。BL関係ないけども。
この作品でもう一つ魅了的なのはエロ。エロがほんとエロい。なんというか、とろけるようなエロというか、もういてもたってもいられない、求めずにはいられないみたいな二人の興奮がめりめりと伝わってきて、すごくよかった。千里と鷹目は性格がまるで正反対でずっといがみあっているんだけれども、体の相性だけはよくて、そしてふたりとも、いざいたすとなるとほんと積極的で、気持ちよさに抗わないというか素直というか。こういう素直さ大好き。だって時には肉欲にただ溺れるみたいなことがあってもいいと思うんだよ。1巻はふたりともまだ恋愛感情を抱くまでには至っていない上での行為なんだけれど、お互いの臭いにどうしても惹かれてしまうという設定のおかげで、すごく情熱的な書かれ方をしていてほんとよかった。
ただ、キャラ設定やセリフ、エロはすごく魅力的だったんだけれど、各巻で展開される二人の仕事というか問題解決に関するエピソードみたいなものが、ちょっと物足りなくて、盛り上がりに欠けるように感じた。丁寧に描写されてはいるのだけれど。最後の4巻は、コメディ色薄れて序盤とは異なるサスペンスよりな感じになっていったんだけれど、私としては1巻のコメディ色を維持してほしかった。
最後はいたって普通に「おまえが一番大切だ」とか、「好きだ」とか言い合う関係におさまるので、それもちょっと物足りない。それでもエロは最後まで素直で積極的ないいエロだった。1巻★5、2巻★4,3巻★4,4巻★3。トータルで★4。