哀れで悲惨、その中での輝き





2023年6月6日
ユーゴー『レ・ミゼラブル』を原作として、コゼットを主人公に据えた作品。不勉強にて原作未読なので、違いとかはわかりません。無知と貧困とが悲劇を再生産していくの、つらい。
主人公のアロエッテとエポニーヌ、二人の少女の対比が描かれていて、エポニーヌの哀れさ悲惨さがすごかったです。
アロエッテの悲惨さは外からもたらされるもので、内なる力によって幸せへと導かれていくので一安心なんですが。エポニーヌはその性根の悪さと環境の悪さとで堕ちていくのが……劇場で見世物になっているのを実力による歌姫と勘違いしている様子や、何もかもを誰かのせいにする様子、腹立つのを通り越してかわいそう。そんな彼女の恋心だけは妙に透明さがあり、いっそうの哀れを誘います。
ティナルディエ夫婦の強欲さや、自分達を「真面目」「善良」と言う様子には、こういう人達ってほんとに自分のこと悪くないって思ってんだよな……という恐怖におそわれてガクブルでした。そして序盤に出てくる村の神父には、雷が落ちたら良いのにな!って思いました。
2巻の、アロエッテを助ける水売りのおじいさんとのエピソードと、5巻の、アロエッテが人形を取り戻すために修道院から抜け出したエピソードでのアデルとの友情が、特に好みでした。
それぞれの人物描写などはとても良かったですが、一つの作品としてのまとまりはやや散漫な印象で終わり方もちょっと拍子抜けなため、及ばずの星4つ。
でも、ホラー作品で培われた妙に迫力ある表現が面白かったです。
2023年6月現在、毎日無料で最後まで読め、読み放題にも全巻入ってます。
主人公のアロエッテとエポニーヌ、二人の少女の対比が描かれていて、エポニーヌの哀れさ悲惨さがすごかったです。
アロエッテの悲惨さは外からもたらされるもので、内なる力によって幸せへと導かれていくので一安心なんですが。エポニーヌはその性根の悪さと環境の悪さとで堕ちていくのが……劇場で見世物になっているのを実力による歌姫と勘違いしている様子や、何もかもを誰かのせいにする様子、腹立つのを通り越してかわいそう。そんな彼女の恋心だけは妙に透明さがあり、いっそうの哀れを誘います。
ティナルディエ夫婦の強欲さや、自分達を「真面目」「善良」と言う様子には、こういう人達ってほんとに自分のこと悪くないって思ってんだよな……という恐怖におそわれてガクブルでした。そして序盤に出てくる村の神父には、雷が落ちたら良いのにな!って思いました。
2巻の、アロエッテを助ける水売りのおじいさんとのエピソードと、5巻の、アロエッテが人形を取り戻すために修道院から抜け出したエピソードでのアデルとの友情が、特に好みでした。
それぞれの人物描写などはとても良かったですが、一つの作品としてのまとまりはやや散漫な印象で終わり方もちょっと拍子抜けなため、及ばずの星4つ。
でも、ホラー作品で培われた妙に迫力ある表現が面白かったです。
2023年6月現在、毎日無料で最後まで読め、読み放題にも全巻入ってます。

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salmon さん
(女性/50代) 総レビュー数:2131件