中原の覇者、胡天の玲麒
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中原の覇者、胡天の玲麒

橘かおる/汞りょう

表紙絵が綺麗だと読みたくなる

ネタバレ
2023年6月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ この小説は、2010年に発行されている。
華王朝の聖帝は転生を繰り返す設定になっていて、今作の四代聖帝慶雅は、三十歳にして柔軟な発想と自由な精神を持って、政権委譲している五国を護っている。
ところが、近隣の桔丹(キタン)という国が、五国のうちの麟国(りんこく)の麟鉱石を狙って攻めてきた。晶国(しょうこく)の国王が麟国の皇帝として、桔丹軍と戦うが、戦略の稚拙さの所為で膠着状態が続いている。
聖帝である慶雅は、本来ならばそれぞれの国の国事や外交には干渉しないのだが、自国民を守るために麟国の安嶺に戦況を見に来たが、当該国の桔丹に攻め込まれて存亡の危機にあった呈鶻(ティーグル)の皇子涼鸞(リョウラン)が、華王朝との盟約を目論んだ為に事態が混迷に陥る。
慶雅は自国と涼鸞の国と麟国のどの国にとっても最善の道を取ろうと画策するが、桔丹が、麟国の中枢と慶雅の身近に諜者を忍び込ませていたため、人心が惑わされたりする。
最終的に、桔丹との戦いの最中に、馬術と鞭術の腕前により桔丹の国王を生け捕りにした涼鸞は、全兵士から英雄として称賛される。戦いは終結を迎える。
慶雅と涼鸞の恋愛は、涼鸞が華王朝の人質になったことで、死がふたりを分かつまで続くことになった。めでたしめでたし。
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