じれじれからのﾃﾞﾚのもたらす多幸感

ネタバレ

2023年6月10日

このレビューはネタバレを含みます▼ 絵柄と試し読みの恋人(仮)になったモサ男森山がbefor afterで塩顔イケメンになって登場した後の何かを抱えてそうな表情を見て、この男デレたりするんだろうか、と気になり購入したわけです。ノンケの谷中が、女除けのため、大学の同期だった森山に、恋人のフリをして欲しい、と頼んだら、実は森山はゲイ。引き受ける代わりに抱かせろ、と迫ります。このノンケの谷中が「僕」「君」呼びが似合う見た目も性格もいいコで。対する森山は、理系の研究室所属で、身なりも気にせず、感情が表情に出ないため、谷中は自分に対する森山の態度の意味について凄く考えてしまいます。森山の目線や、手の動きで切ない想いが滲み出ているのが読者には分かるのですが。
ノンケの谷中が、一緒に過ごすうちに、知らなかった森山の一面を知り、惹かれていく様が丁寧に描かれる中、見ているこっちは「さあ、一体いつ森山のデレを拝めるのか？いつでも来い！」と、ずーっと外野でスタンばっているのに、森山が、色々寸止めで、なっかかデレないんです！お触りはするんだけど、挿入はせず、とか。「あー、焦れ焦れするー！」と思っていたら。ノンケの谷中の方が、森山に対する自分の気持ちを自覚し、自ら動き出して。その瞬間の森山の表情や言葉がね…ずーっと、ずーっと我慢していた読み手に、とんでもない多幸感をもたらすんです〜！で、デレ解禁後に溢れ出す森山の谷中への想いを語るモノローグに、もう良かったねーー！と見ててにやけが止まりません！
そして、つい何周か見返してしまう魅力の要因が、美しい作画による手や服、顔の造形、神修正により、ほぼ原形をとどめている2人の美しい2人かと(涙)。特に手フェチの自分にとっては、こちらの作者様の描く手の形や指の長さに、所作の美しさが表れていて、見飽きません。薄すぎない、程よい肉付きの身体も魅力的。1周目は、ゆっくり惹かれていく谷中の心情に寄り添って読んでキューンとし、2週目は、森山の内心を想像して身悶えし、3週目は神修正と手で語られる心情を想像し…と、何回読み返しても、その都度違う楽しみ方ができるところが良き!!!番外編も塩顔塩対応だった男子が諦めた想いを遂げ、イチャコラする姿に成仏しそうになるほどの尊さを感じました…は〜、多くの人にこの多幸感を味わってほしい…