noicomi鬼の花嫁
」のレビュー

noicomi鬼の花嫁

富樫じゅん/クレハ

ユズが良い子過ぎて違和感……

ネタバレ
2023年6月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 17巻で、ついに妹のカリンが妖狐の花嫁でなくなりました。
処分が「両親と共に遠くの地に送る」…って甘すぎじゃないですか???
両親とも引き離し、普通の暮らし(高校大学就職など)は出来ず、一生結婚も許されず、妖の世界で死ぬまで朝から晩まで働かせる、くらいして欲しかったですね。

両親に溺愛され、その両親が姉を虐げているのを見て育ったので、カリンの中で姉の存在が低いものと認識してしまったのは分かります。
しかし常識的に考えて、人としてやってはいけないことの区別も付かなくなっているのは理解不能。
ユズはまともに育っているのに、同じ親の元でここまで対極な人間性に育てられるか?とも思う。

そして、今まで散々酷いことをされてきたユズ。
ずっと虐げられ、婚約者に頼んで火にかけられたり、階段から突き落とされたり…言わば殺人未遂ですよね。
ここまでされても「カリンをここまで追い詰めてしまったのは何だろう?」とカリンのことを考えているユズにイライラします。
"とことん良い子"に描きたいのだとは思いますが、やりすぎると違和感しか無いし、正直気持ち悪い。

「あの両親のせいでこうなってしまったのね。カリンもある意味被害者だわ…可哀想だけれど、私は家族のことは忘れると、もう関わらないと決めたの。心苦しいけれど…この人達がどうなっても私にはもう関係のないこと…」くらいにドライに締めて欲しかった。
どれだけ酷いことをされてもその加害者を慮る…そんな人間は実在しません。
普通は地獄に堕ちろ!とかいい気味!とか思うものです。
ユズは良い子設定なのでこういう思考にならないのは理解してますが、あまりにも無理矢理な良い子ちゃんぶりに、胸焼けしています。
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