このレビューはネタバレを含みます▼
表題作が本当に合わなかった。三角関係の話とか横恋慕の話が好きではないというのもあるけれど、相手への想いが強いのに妙にトゲトゲしく、面倒くさいを通り越して怒りすら覚える。
幹田と小矢の不毛な片思いと腐れ縁に巻き込まれた洲戸がなんだかとても哀れで辛い。洲戸のキャラクター故の孤独なのかもしれないとは言え、幹田からのあの言葉はキツすぎる。
表題作以外は短編で、どの作品も明確な正解や方向が示されておらず、物語の余韻や登場人物たちのその後を想像して楽しめる方でないと中途半端に感じてしまいそう。
『さんかく窓の外側は夜』や『違国日記』を書かれた作者さんだからと気軽に読んだことを激しく後悔。表題作の胸くそ悪さに☆1にしてしまいたいところだけれど、『あの人のこと』が意外と良かったので☆一つ追加。