このレビューはネタバレを含みます▼
セクサロイドの検査を任された進藤は少年型のロボットの面倒をみることになります｡性技以外は､知識も言葉も発音も覚束ない少年ロボットに､ごく真っ当な感覚の持ち主である進藤はモラルや一般常識を教えようとします｡けれども上司はもう人間では無いのだから彼に感情を戻すことはないと言います｡少年ロボットは､進藤の叔父によってセクサロイドに作り替えられた無垢な少年だったのです｡身寄りが無く年端のいかない少年•としおくんは､たった一人の大事な妹に養親を世話してもらう代わりにセクサロイドにされてしまったのでした｡見た目も思考も幼いとしおくんに課せられた役目に胸が痛みます｡この辺りの闇がダメな人にはダメかと思います｡としおくんの夢や思考が小さな動物たちやお花やキラキラで表現されているのが独特で､後半はとしおくんを引き取った進藤さんと二人のスローライフになります｡この上下のあと､『錆のゆめ 左』『錆のゆめ 右』と続編が出ています｡いずれも一読では捉えきれない深さを持つお話です｡
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