喪服の花嫁
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喪服の花嫁

芽玖いろは

初めの筋書きで読みたかった

ネタバレ
2023年6月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 美しい!デザインとタイトルがこれ程バチッと合う表紙も稀かと。ドレス姿にジャケットを羽織る意味深な1話の扉絵(脱ぐ途中なのかよく見ると際どい格好)もゾクゾクするし期待していたのですが、思ったのとはちょっと違いました。大人に弄ばれる大学生の雪乃、とことん病んだ作家の義父、過去に囚われるタクシー運転手の後藤。この義理の親子の歪んだ関係性も接待内容も重くて胸クソで正直… 好きです。が、義父の見た目が本物のメンヘラで受け付けないし、輪ゴムの貞操帯は痛いし色気が無いし、せめてキスは止めてくれ キスだけは… 😩(雪乃の代弁) もっとダンディな見た目にして外面と内面の二面性の落差を描いてくれたら入り込めたかな~。後藤も神経質そうな顔が怖くて好きになれず、主体性の無い雪乃も好きになれず、登場人物皆 感情移入出来ませんでした。内容も色々詰め込み過ぎて空中分解してしまった様な印象で、前半と後半で熱量が違う様な。ストーカーは要らなかったと思うし、後藤の過去もそんなに詳しく描かなくて良かったと思う。(教え子の顔はボカした方が良かった) それに後藤の雪乃への想いが最後まで見えず、感傷的に流されてくっついた様な印象で何だかしっくり来ませんでした。あとがきによると内容と義父に修正が入り悔しい思いをしたとの事。on blueにはもっとドロドロでシリアスな作品もありますし、義理の親子なので胸クソだけど禁忌ではないし、そんな急に消さなくても… と思いますが、何処ぞの大物作家に似た噂の人がいて 危険回避で内容を弄ったのかな~?なんて勝手に想像しちゃいました。※あくまでも想像です。修正するならと言うか表紙とタイトルを活かすなら、メリバかサスペンスか思い切りダークに振り切った方が良かったのでは?と思いました。発信機を見付けた雪乃の心の糸が切れ、僅かに残っていた義父への尊敬の念は侮蔑の念に変わり 恩義と同情心も消え、作家としても男としても止めを刺す氷柱の一撃の捨て台詞を放って奈落に落とし、事故か事件か自○かモヤる消え方をする義父。殊勝な面持ちで喪主を務めつつ、シレッとした顔で葬儀の列に並ぶ 今迄散々弄ばれたモブやお偉いさん達を「今度は俺が食う番だ」とばかりに鋭い視線で獲物を品定めし口元は微笑を浮かべる雪乃。その姿を会場に着けたタクシーから遠く見つめる後藤。それに気付き、表紙の流し目を送る雪乃… みたいな。雑文として流して下さい。m(_ _)m
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