偽りのフレイヤ
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偽りのフレイヤ

石原ケイコ

ユリウス

ネタバレ
2023年6月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ お話全般にわたって語りたいことは沢山あるのですが、中でもユリウスの大人の男ぶりたるや本当にドキドキさせられます。中盤、身分ある某女性から大人の関係を半強要させられたシーンは皆さん本当に心臓を撃ち抜かれたのでは?若木のような瑞々しいキャラクター達の中にあって、女性の肌を知り、雄として匂い立つようなユリウスはすごく艶めかしい。年齢も体格的にも彼が某女性を上回るのに、場数を踏んだ男ならではの余裕を醸し出しながら跪いちゃう感じ、クラクラしたし相当にアダルトだった。
結局フレイヤの転機で何もなかったけど、こういう事は慣れているという彼の言葉には、不謹慎ながら生々しさにドキンとしたし、同時になんという半生なのだとやるせなくなった。でも、これまで何でもなかった事なのに一瞬の迷いが生じたのは、フレイヤ以外に触れたくないととっさに思ってしまったこともあるだろうし、フレイヤとの時間を重ねる中で、目をそらしてきた人間らしい感情の色々を改めて自覚したからなのかも知れないなあと思う。
年齢も体格も、経歴も政治力も、あらゆる面でフレイヤをしのぐはずの彼が、フレイヤの強さ、包み込むような温かさの前では逆に守られてしまうのが本当に尊いと思う。ああ、これからどうなっていくんだろう・・。
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