喰われるほどに暴かれて【電子限定描き下ろし付き】
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喰われるほどに暴かれて【電子限定描き下ろし付き】

高城リョウ

Dom/Subは苦手だったのだが。

ネタバレ
2023年6月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 物語はダイナミクスという第2の性があると発表されて3年。だからか、まだはっきりしてない事も多い時代。
これがこの物語のミソといえる。

この本作では、特殊設定(オメガバース等)のある作品冒頭にある説明がない。ダイナミクスに関する説明がないのだ。
「説明がないとは、不親切じゃないか?」
実はそんな事はない。
逆にないからこそ、主人公が持つ知識を頼りに話を読み展開を楽しむ事ができる。

「コマンドがわかりにくい」
そんな感想がありそうだが、わからなくて良いのだ。
わからないからこそ、後々「あれは伏線だったのか」と驚きすら与えられる。

不親切な設計こそが物語に没入させる。面白い作りだと感じた。
また、主人公の両方の心境を理解できるというのも、Dom/Subの世界を一方的ではなく、支え合う世界と考えを教えてくれた作品と思う。

Dom/Subは苦手だったが、これは良い作品だった。
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