このレビューはネタバレを含みます▼
2巻まで読みました。……そもそも「洗脳執事」という刺激的に見えるタイトルが良くないのかな。屋敷の人間すべてを掌握する不気味執事に立ち向かうお嬢様な図式が、早くも洗脳という強いワードに引きずられ、タイトルがこじ付けにしか見えないくらい1巻から破綻しています。万能で変人で友達欲しい孤独執事。手会い頭から速攻、苺ひとりにだけ素を見せる執事VS家族を正気に戻したいイイ子お嬢様との攻防。家族のキャラと設定は面白そうなのに、苺が美少女ヒロイン枠か、変顔ひとつ出来ない、まともにボケもツッコミも出来ない半端キャラで、肝心のギャグに振り切れず、一転して九鬼の奇行が簡単にツンデレ善人節に展開しても、彼の言葉は響かず、いい話のオチも全般的に浅い。入学早々、登校拒否クラスメイトのエピソード、赤髪幼馴染のエピソード、心情的に掘り下げて欲しい所が空回り気味。レギュラーキャラにもなれず、出オチ感がすごい……。打ち切りだったのか、2巻は駆け足で強引でした。よくあるあるの「実は幼い頃に~」「実は互いに~」……唐突でしたね。特に苺。そんなフリも記憶も作中、何処にも出て来なかったでしょうに。全体的にキャラのビジュアルはセンスいいですし、九鬼さんのビジュアル、妹のゆずちゃんにいたっては性格も好みだっただけに、勿体ない作りの作品に思えました。