星評価は『秘密』に。

30日いっぱいで販売終了ということを島で教えていただき、駆け込み購入。ありがとうございました、間に合いました。
166ページ。5作品入り短編集。
初期短編集好きなので、ずっと気になってた1冊。読めて良かったです。恋という名がつく一瞬前の、ふっと揺らぐ空気のような、そんな話が多かったです。
いわゆる「BL」の明快さやエロはありませんが、この独特な、どこか不安定な寄る辺のない雰囲気は、長編よりむしろ短編で輝く気がします……っていうかただの私の趣味です。
〜〜〜〜〜
・『ラブソング・トゥ・ミー』人気者の真を見つめている佐多と、それを見ている主人公。ラスト2ページの微妙な空気感が甘酸っぱい。
・『ふたりぼっちの食卓』三人の輪から彼女が出来た一人が抜けて、残された二人。
・『パートナーシップ』前後編。高校生の出会いとちょっとした成長。
・『秘密』帰省で再会した同級生は、なぜか女装をしていた。秘密を話したくない理由、話してほしい理由、どちらも良いですね。星4つ。
・『少女、35歳』同級生を10年以上思い続けていた主人公の気持ちを考えるとすごくつらい……。で、その部分に関しては非常に良いですが、主人公の思い人とその歳の差奥さん(高校生)に対して「どうなってんのこの二人……？？」って気になりすぎちゃってその分マイナス。