このレビューはネタバレを含みます▼
遺伝子工学研究員・カナメ×遺伝子データで選ばれた擬似パートナー・イオリ。体外受精によるリモート繁殖が当たり前で、性/交渉自体が根絶された近未来。出生率と共に胎児死亡率も上昇し、平均寿命が下がり続ける現状から旧式繁殖(セッ/クス)を導入する極秘プロジェクトに参加することになったカナメは、マッチングした擬似パートナー・イオリと出会う。リモート繁殖によって子供への愛情も希薄になり、結果的に愛の薄い世界になっている中で、愛と信頼で結ばれていた曽祖父母に憧れているカナメ。初めてのことばかりで戸惑いと恥じらいと義務感の間で大きく揺れ動くカナメだけでなく、イオリ側の事情も複雑で重かった。愛のない世界は歪で、効率ばかりでは大事なものがすり抜けていってしまう。カナメが自分で考えて答えを見つけられたのもまた、曽祖父母の愛に触れていたから。うまく言えないので、気になったらとにかく読んで欲しい!考えさせられたし、読み応えありました。下巻の後半は気になってたイオリの仲間・リセのその後。旅の途中で出会ったマナ×リセ。幸せに生きてくれ…(泣)