スリーピングデッド
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スリーピングデッド

朝田ねむい

グロいけど下巻で感動

ネタバレ
2023年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ グロい部分は直視しないようにして最後まで読みました。

佐田君が活動停止してから数日間の間宮の様子に涙が出ました。あと代わりに机落としてくれたところで佐田君好きになりました。いい人というより優しい人。旅行中に太田を一緒に殺そうかと言ってくれたり。間宮が考案した割と残酷な計画を見てみたいかもと笑って言ったり、ただのいい人じゃないところがいい、いそうでなかなかいないキャラ。間宮が好きになるのも納得。

一つ気になったのは、途中で間宮が菌を生きてる人間に感染させようと言った計画の内容です。人間半分はゾンビにせずに残さなきゃと言ってましたが、それだと長くても3ヶ月で人間が絶滅して、食料が尽きたゾンビも絶滅するのでは?半分と言っていたのは人間全体のでなくて友達の中のということなのか?でも友達以外の人を食料にすればいいから、食料のために友達半分は残しておかないとって発言はおかしいからやっぱり人間全体の半分を残しておくという話だと思うのですが。
肉づきによりますが一人の人間がゾンビの食料として平均2.5ヶ月もつとしても、一人のゾンビあたり一年で4.8人の人間を殺さなきゃいけなくて、人間が1年間に増えるスピードより明らかに早いので、半分じゃなかったとしてもそのうち必ず絶滅する。この計画を考えた時点では少なくとも間宮が生きてる間は佐田くんも一緒に生かすつもりだっただろうから仮に50年間として、4.8×50で240、ゾンビ同士の争いなく一人のゾンビあたり50年間で240人の人間を殺せるように、ゾンビの数を抑えなきゃいけない。ゾンビ感染がゆっくりちょっとずつ広がっていくものだとしたら食料は持つけどマイノリティのままだから計画の意味がないし、割と早く多くの人に伝染するものとしたら、一定数に達したら間宮がなんらかの方法で止めるとして、生殖をしなくなったある程度以上の年齢の人間から食べて生殖可能年齢の人間たちは食べずに残して数を増やさせて、人間がゾンビに対抗するためにめちゃ子供産みまくった結果ゾンビの食料が増えたとしても、ゾンビの数は多くても人間の数十分の一に抑えておかないといけないわけで。結局マイノリティなのでは?まぁゾンビ社会の中でさえ受け入れられれば別に人間社会に受け入れられなくてもいいのか。
そういう現実的要素を無視した計画を学者が本気で考えることに少し違和感を覚えました。

でも全体としては感動しました。
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