溺愛CEOとあやまちの夜
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溺愛CEOとあやまちの夜

シャーロット・ラム/川島彩

原作とはなんぞ?

ネタバレ
2023年7月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 原作に比べてページ数が少ないコミックスは、ストーリーを変更したり端折るのは当然だが、これはあまりにも違い過ぎる。もはやパラレルワールドと言っても過言ではない。まずヒーローのキャラが違う。受ける印象がはっきり言って真逆。原作のヒーローはストーリーの9割方が子供じみた言動と行動のオンパレードで、自分のプライドのために他の女性の存在をヒロインに匂わせるような器の小さい男。到底ヒロインより15歳も年上のヒーローとは思えない。あの原作でどうしてこんな溺愛ヒーローになったのか謎でしかない。しかも、ヒーローをよりイイ男にするためか、ヒロイン元婚約者がコテンパンにされているが、原作ではヒロインに言われたことを確認し、ヒロインにきちんと謝罪しているので、大人気ないヒーローより余程まともに思えたのに、この仕打ちはあまりにも酷。これがオリジナルのストーリーだったら良作と言えるだろうが、原作ありきのHQコミックスであることを考えると、たとえ初HQコミックスだとしても、どうしても評価は下がる。タイトルを変更すれば良いというものではない。私のようにコミックスから原作に興味をもつ人もいるだろう。このコミックスの印象から、同原作者の『夏草のメルヘン』を想像していただけに、原作とあまりにもかけ離れたストーリーは残念の一言に尽きる。
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