東京-臨界点-
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東京-臨界点-

ハル

容赦ない。それでも、読む。

ネタバレ
2023年7月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 容赦なく、痛い、重い、辛い。でも、救いが待ってる。だから読むし、読めるのです。
シリーズが、毒親からの救済がテーマに見えてしまうくらい、多種多様な毒親から傷つけられたメインキャラ達。クズ、モラハラ、溺愛…、世代的に親にフォーカスしてしまう。でも結局、過去が救われる事はなく、未来に得た大切なものが、救済してくれる。そこに至るまで、凄く凄く傷つけ合って、暗くて苦しいことが起きる。いつもなら重苦しい作品は苦手で、読むのを躊躇うのですが、このシリーズは普通に読めるのです。たぶん、自分の中で超えられない一線を、ハル先生は超えてこないから。突き刺すような作品。この中でただ一人、温かく人間らしい人だった結人の先生。彼女だけが理解出来た。彼女の普通の温かさが、この突き刺すような作品の根底にあるんだと、勝手に思ってます。
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