狼と駆ける大地
」のレビュー

狼と駆ける大地

イーライ・イーストン/冬斗亜紀/麻々原絵里依

別の群れ

ネタバレ
2023年7月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めて、マッドクリーク以外の場所のクイックたちが出てきます。人付き合いがにがてなジウスが出会ったのはアラスカのティモ。美しい赤茶の髪をもつハスキー。マッドクリークに比べてはるかに原始的な生活を送る彼らの世界は、ジウスにとっては夢のように美しい場所のやう。当然のように、美しいティモに惹かれてしまいます。およそ文明的な生活をあまりしていないし、人間から隠れている為か、ティモの群れは限界に来ていたようです。マッドクリークに短期滞在する事になったティモは異文化との触れ合いに戸惑いながらも新しく受け入れるものと、そうでないものを見分けていきます。妹のヒッティの事になると、かなり父権を振りかざしてしまうところがありました…。彼女を心配するあまり、ですが。でも、きっと、過去の狼の群れのような形はそぐわなくなって行くんだろうと思いました。ティモたちの群れにマッドクリークの住人が入る事によって、限界は突破されていくはず。新しい未来の希望を見る事が出来るはず。そんな未来へ向けた物語です。義務と個人との狭間で懊悩するティモとジウスに共感します。ジウスはまた、心が広くで素晴らしい人でした。たまにはマッドクリークに帰ってランスや両親と交流して欲しいです。麻々原絵里依先生のイラストが大好きです。
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