このレビューはネタバレを含みます▼
藍を見ていて、立ち居振る舞いの優美さや正しい言葉遣いは、目に見えないけど貴重な財産なのだなと思いました。昔ある女優さんが「教養とは、決して盗まれる事のない財産」と言っていたのを思い出して、そういう意味では決して盗まれない高価なアクセサリーを身に付けているようなもので、藍の存在自体に価値があるという設定も頷けました。
3冊中、3巻は他よりも不穏でダークな雰囲気でした。特に福田の存在感がやけに禍々しく強烈なオーラを放っていて、薄気味悪かったです。主役カプというか主軸はハピエンだけど、藍の父親の過去とか志澤の家族とか枝葉あたりではバドエン・メリバ風な流れもあって、不思議な魅力と読み応えがある作品でした。
主カプの脇で、それなりの存在感を見せていた弥刀と佐倉が凄く気になっていましたが、スピンオフがあるようで安心しました。カプとしては、むしろ志澤×藍より気になっていたので、そちらも読むつもりです。