私に触れない貴方は、もう要らない
」のレビュー

私に触れない貴方は、もう要らない

ハナミズキ/月戸

終章が初めてのパターンでした

ネタバレ
2023年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 265ページ。とても長く感じる一冊でした。それだけ読み応えがあったのかな?と 思い返しています。この作品は大きく分けて三つのパターンかと勝手に思っています。ライナスとの別れ、辺境地での生活、カイゼンとの結婚と別れ。題名はライナスとの別れのことだと思いますが、アシュリーの想いとライナスの想いがとても良く書かれていて、そんな不誠実な夫は早く捨てろ!と思いきや、アシュリーに縋るライナスに同情し哀れみを感じてしまったり…。ようやく決着がついた時は物語も終わりかと思ったほどよく纏まっていました。離婚し傷物令嬢となってからどのようにして生きていくのか。よくある中世のお話では修道院入りか。でもアシュリーは看護師資格を持っていて親友の薦めで辺境地へ赴くことに。辺境地での生活が離婚して傷ついたアシュリーに少しずつ自信をもたらしていく。辺境地伯次男のカイゼンのアシュリーへの想いも含めて。ここらあたりになってシリアスな設定かと思っていたら魔獣退治が出てきて、あれ?これファンタジーだったの?と初めて気づくことに(^◇^;)騎士として働くカイゼンが魔獣退治の際、自分を守るために亡くなった親友と家族に償えきれない思いを抱いて生きていることを知ったアシュリー。普段は明るく振る舞うカイゼンの苦しむ姿を目の当たりにし、その心の傷を癒してあげたいと思うアシュリー。学園にいた頃、アシュリーに一目惚れし婚約者が(ライナス)いることを知り速攻失恋した経緯を持つカイゼンとの辺境地生活が濃い。そこで2人は信頼を深め周りも応援して結婚となる。辺境地は他国との戦争と魔獣との戦いで一触即発状態。子供も生まれて幸せな2人だがそんな環境からこの先は推して知るべし。カイゼンもいつもその覚悟を持って戦いに臨んでいた。毎回アシュリーに恋文を残して。その日も…。45歳にして←推定 2人の子供たちがこれからのアシュリーを支えてくれるんだろうな。と、思わせてくれるエピローグでした。ホロっときます。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!