このレビューはネタバレを含みます▼
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人柱の風習がぼんやりしていたのが、民間信仰とか好きな自分には物足りなかったです。人柱の家系、人柱を立てる条件などがわからないので、どうして性的な奉仕によって30過ぎまで延ばし延ばしにできたのかが気になっちゃって。
二人のお互いが好きになった気持ちももう一つ実感が伴わなかったです。何かエピソードが欲しかった。
良かったのは、栄太が春に、それまで春を犯していた男たちはどうだったかと列挙していくシーン。ただこのシーン、惜しいポイントでもあって、これを入れるなら序盤の行方不明になった男たちの具体名として列挙した男たちの名前を入れておけば良かったのではないかと思います。そしたらこのシーンの不穏さも増すし、結末の伏線にもなったかなって。
もうひとつ良かったのは、春が栄太に自分の身体を見せるシーン。多分、梅毒みたいな性病の症状がだいぶ進んだ状態ですよね。先の短さが感じられて、だからこそこの話はあのラストであって然るべき、と思います。村から逃げるだけではもう間に合わない、少しでも長く心の安息を得るにはあれしかなかったと思います。まあ、基本的に、復讐に心湧き立つタイプの人間なので、単純にラストにはスッキリしました。
少しおまけの星4つ。