乙女ゲーム六周目、オートモードが切れました。
空谷玲奈(フロンティアワークス/アリアンローズ)/昴カズサ/双葉はづき
このレビューはネタバレを含みます▼
乙女ゲームの悪役令嬢たるマリアベルが破滅を回避する為に、徹底的にフラグに近付かない様に用心しているのに。破滅は向こうからやって来る。というのは想定していたものの。マリアベルの想像を超えて、変な方向からソレはやって来る、というお話。まず婚約者候補である王子様をなるべく避けているせいで、王子様とは何も起こらない。というか、ゲームのヒロインとも出逢わない。のに関わらず、メンヘラやヤンデレに粘着され、迷惑を被るマリアベル。攻略対象に逆に愛されまくるという楽しみも無く。冒頭に登場したグレイ先生も巻を追う毎に存在感を消して行く。王子様もしかり。常に近くに居てくれたケイトとはハッピーエンド匂わせで終わる。本物の悪意との決着はあるものの、スカッとはしない。これからも自分らしく生きて行く!というマリアベルの決意表明で終わる。途中登場のタカラヅカ的な素敵な先輩も、作者がちょっと登場させてみたかったというだけなのかな。キャラクターが沢山出て来る割には、それぞれ弱い。そして突然の完結。何だか不完全燃焼だったな。サラが王子様狙いの割には王子様へのアピール無さ過ぎて。彼女の周りくどいやり方も謎。彼女は作者の中で最初は悪役では無かったのかも、と思わせられるくらい、中途半端であった。
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