好き嫌いが別れる作品だと思う





2023年7月12日
「作者様、攻めたな」が第一印象。リバ、浮気、暴力。地雷のある方は気を付けて下さい。題名通りの苦さで、人の心を突き刺す作品。大筋は、ナツキがアラタという恋人がいながら、リョウマと浮気するって話。ナツキが100%悪い。でも、幼馴染と中学から付き合って、彼の世界にはアラタしか居なかった。大学生になり一気に視野が広がって、違う世界を覗いてしまった。恋人である18歳のアラタと、先輩であるリョウマでは、体つきも経験値も違う。若いナツキがフラフラとするのを、私は嫌いになり切れなかった。ナツキはアラタを「自分の半身」と表現するように、完全に安心しきってなめ腐って、努力しなくても傍にいるものと勘違いしちゃった。アラタに暴力を受けても縋りつくナツキ。初めて「半身」ではなく、努力しなければ維持できない関係だったと気が付いたのかな。普通は(?)仲直りエッチが付き物だが、この作品にはそのような甘さはない。でも最後にナツキの口元についた食べ物を舐めたアラタが「なんか甘いね」と言って終わる。二人の関係の「ほろ苦い終わり方」と、食べ物の「甘さ」を微妙に絡ませた終わり方には脱帽。一つだけ。ナツキが唐突に罪悪感を抱いたような印象を受けた。リョウマに恋人がいると告白するまで、もう少しナツキが葛藤していた様子を描いて欲しかった。

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