月影楼で逢いましょう~遊郭オメガバース~【コミックシーモア限定特典付き】
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月影楼で逢いましょう~遊郭オメガバース~【コミックシーモア限定特典付き】

恋煩シビト

切なさ愛しさ苦しさ

ネタバレ
2023年7月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男娼としてお金で買われる存在の自分達(Ω)に、真実の愛が向けられる事なんて無いって百も承知だけれど、それでも仕事中好きな相手の姿を思い浮かべてしまう切なさ。
好きな人(蒼介)が置いていった本を、他の客が触ろうとするのを必死に止める純がいじらしくてたまらない。
αはΩを愛さない、愛の言葉を信じるなと言う梁井に、また会えるかもって思えるだけで幸せ、僕のことを気にしてくれる梁井さんはいつも優しいって穏やかに話す純に、こんな過酷な状況なのになんて優しい子なの?って胸が締め付けられる。
(Ωは頭が緩いって設定はあったけど‥)
蒼介に番になろうって言われた時も、その言葉だけで自分は死んでも構わないって儚げに笑う純を抱きしめたくなった。
現状を理解して過酷な運命を誰のせいにもせず、ただ淡々と日々をやり過ごす純。
そうしないと心が壊れてしまうってどこかで分かってたのかもしれないね。
純と二人で生きていきたいという蒼介の熱意は、梁井にかつての行い(純を生んだΩを捨てた)を思い起こさせ、自分もこうありたかったと思わせてしまうほどの威力があった。
たぶん梁井も、Ωだからと言って我が子を遊郭で働かせている事に多少なりとも罪悪感があったのかな。
私的にはぜひそうあってほしいと願うけども。
(純に自分が父親って名乗ってないけどね!)
最後蒼介と純が幸せに暮らしてる描写があって、ものすごーく安心した😄
これは「月の裏を超えて」で明かされるけど、長年性のはけぐちにされて来た純の体はボロボロで、結果純は亡くなっちゃうんだよね‥(涙)はぁ〜‥(泣)
でもねきっと純は、愛される幸せを充分感じながら最期を迎えたと思うのです。
純を忘れられない蒼介が次の幸せを掴むまでを描く「月の裏を超えて」もいいけど、私的には純の生きた証があるこっちのが好みかな。
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