スモークブルーの雨のち晴れ
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スモークブルーの雨のち晴れ

波真田かもめ

気持ちの、からだの?深いところに残る何か

ネタバレ
2023年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても静かな作品なんです。それはもう『ぴったりの顔レビ”が選択肢に無いくらい。
生活が、折り返しを過ぎた人生が、淡々と過ぎて行きます。着いて行けなくはないけれどもあたふたしてしまいそうな時間経過(3巻までにさらっと2年経ちます)も、まるで本当の日常みたいで生々しく感じました。
関係に名前や証明がなくてもそんなことはもしかして本当は些細なことかもしれない、と思うほどに、しっとりとずっしりと思いや暮らしはそこにあって、どこかに向かう過程とかではなくて、その日その日が生きることそのものなんだな、と。1巻2巻は時間をおいて何度か読み返していますが、不思議な満足感と焦燥と諦めと、なんだか色々なものが読後私の中に残ります。
新刊本当に嬉しかったです。続きを楽しみに日々暮らします。
波真田先生の作品はどれも大好きですが、この作品は特別深いところに刺さるというか残るというか、忘れられない一作になりそうです。
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