このレビューはネタバレを含みます▼
小冊子が出て本編も読み返したのでレビューをば。
究極の救済BLだなと思いました。
5年前から時が止まり五感全て塞いでしまいたい辛い世界にいた千夏と暗く孤独な世界にいる佳澄。どちらもずっと真っ暗な夜にいるような孤独や苦しみ、寂しさを抱えていたが、2人手を取り合って朝を迎えるような、夜は孤独なものではないんだと実感できるようなそんな物語です。
個人的にすごく印象的だったのは、佳澄が和服で和室にいる、千夏が真っ暗な洋服を着ている、全体的に暗く静かな世界、という点から現代の話ではないような、今自分が生きている世界にいるとは思えない2人であったことです。だからこそ水族館、電車、スマホとかが出てくることでどんどん2人が外の世界に触れ明るい方へと進み出している感じを受けました。
また佳澄が目を見えないことを全くマイナス要素として扱っていないことがよかったです。目が見えないから身を引くとか目が見えない相手だと大変だ、とかそういう表現が一才なく、ひたすらあなたと出会えたから救われた、その一点で2人の想いが通じ合うのがすごくすごくよかったです。
全体的に暗い紙面だからこそ純真無垢な佳澄の姿や水族館や朝日と要所要所に光として輝いていてよかったです。この作者様の絵柄だからこそ描けた作品だと思います。
この2人がずっと幸せでありますように…