モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います
よっしゃあっ!(GAノベル/SBクリエイティブ刊)/ラルサン/こるせ
和澄
さん
(女性/30代)
総レビュー数:42件
このレビューはネタバレを含みます▼
この物語は主人公が異世界に行くのではなく、こちらの世界にモンスターが来るタイプ。
設定自体は好きな部類なのですが、主人公のキャラが私には合いませんでした。
ここからは2巻までのネタバレを含みながらどこが合わなかったかを書きます。
この漫画が好きだと感じている方はご不快になるかもしれませんのでこの後を読むのはお勧めしません。
合わない派の感想を知っておきたいと思う人(購入を検討している人など)向けです。
主人公は一昔前の漫画の主人公のような『前向きで正義感があって人を助けずにはいられない』みたいなタイプとは違い、目の前で人が襲われたりしていてもリスクを負うのを避けて見捨てるタイプです。
そこまでは理解できるのですが、特殊な能力(アイテムボックス)を持つ主人公は周囲の店という店から全ての物資を回収し、更にはたくさんの人が集まっている避難所の物資も回収しようとしています(2巻時点では避難所の物資を本当に全部回収してしまったかどうかはわかりません。一部は既に回収してました)。
私はここが受け入れられませんでした。
リスクを負いたくないから助けない、までは慎重なんだなと思うくらいですが、他にもまだ生きてる人がたくさんいる中で全ての物資を独り占めするのは流石にやりすぎだと思いました。
しかも避難所の人達が拠点にしている場所の物資さえも奪おうとしている。
その中には避難所の人達が命懸けで集めた物資もあるのに。
これは“リスクを負いたくないから助けない”の範疇を大きく超えているように感じました。
モンスターが蔓延る中で、みんなが命懸けで物資を得なければ生きていけません。
それを全部独り占めしたら、残りの人がどうなるかは自明の理。
こんなのはこういう漫画の序盤に出てくるモブ悪役の狼藉です。
避難所の人達が主人公の大規模物資回収を『物資を回収して独り占めしようとしている奴がいるのかもしれない』と警戒しているのを盗み聞きした主人公は『誤解されてる!』って言ってましたが、誤解も何も真実です。
誤解だと言うなら回収しすぎた分を少しは戻せ。
あと、2巻の最後で強敵を相手に『誰か助けてくれぇ!』みたいに叫んでますけど、他の人のその叫びに背を向けた自分を忘れたのか?
助けない選択をするのはともかく、その選択をしたくせに自分の窮地には助けてもらえると思うあたりもモブ悪役みたいだなと思いました。
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