erotica【イラスト入り】
榎田尤利/中村明日美子/今市子/えすとえむ/円陣闇丸/鬼嶋兵伍/腰乃
このレビューはネタバレを含みます▼
エロスもりもり短編集
【痛い靴】これはフェチというやつなのか。すね毛そられてサイズのあわないハイヒールを無理やりはかされ、痛い痛いって言ってたはずなのに最終的には「次は赤のエナメルがいい」なんて思っちゃう部下(受け)と上司(攻め)の変態コンビな話。受けはもてあそばれるが気持ちよくなって終わる。薄暗さのある話。
【ストロベリー】リバーシブルがテーマ。ゲイの受けとノンケの攻めがつきあっていたが、受けは攻めが結婚すると誤解、どうせふられるんなら最後にほってしまえ!!でも悲しいよーえーんごめんごめん、ぐすぐすっ、ハッピーエンドな話。無理やりやってるわりにかわいい感じにおさめられている。
【10X3】ヤクザ(受け、セルフィッシュな乱暴者)が、組の弁護士(攻め、受けより年上、クール)と自分の舎弟(攻め、年下、単純バカ)に気持ちよくされる3人体制の話。3人のキャラ設定がよかった。3人でやってる感がたまらなくよい。
【カルメン】ゲイでドラァグクイーンな攻めと低身長がコンプレックスな受け。たくましいドレス姿の攻めにほだされおとされる受けが楽しめる。どんなあなたも大好きです、な乙女心あふれるお話。
【クリスタル】密室での排泄物要注意、臭いが気になる。基本的に私は排泄描写苦手なんだが、この話はあまり気にならなかった。興奮もしなかったけど。おかたい秘書(受け)が、ガキンチョぼんぼん社長(攻め)に故障したエレベーターで強引に押し倒されたあと、最終的には自分が上にまたがっちゃってのりのりになる展開は好みだった。
【書生の恋】短編集の中で唯一性的な行為の描写がないお話。戦時中の日本、会うことすらできず、手紙だけで心通わせた作家と学生。切ない。
一番好きなのは【10x3】、辻(ヤクザ)のキャラが好きだ。快楽主義で潔いまでに自己中心なキャラは見てる分には楽しい。次に好きなのは【クリスタル】、うまく説明できないけど排泄物以外の部分で妙に昂奮した。ストーリー性とか行間を重んじる人は【書生の恋】なんて好きなんじゃないかなー、いろんなエロスが楽しめる満足感のある一冊だった。作者様があとがきで、自分はエロを書くのも読むのも大変好きだと書いてらした。たのもしいお言葉。私は榎田先生の書くエロが大好きだ!
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