面白くて真面目、深みのある話です

『くちづけは嘘の味』スピンオフ、加倉井さんの話です。槙尾（元詐欺師）に慣れているからか、出会いのぶっ飛びシチュにも堂々と立ち向かって、犯罪まがいの事をしでかした景を社会的に切り捨てるのではなく、育てる事を選んだ時はカッコ良かったです。二人の具体的な歳の差は分かりませんけど、お父さん世代みたいな描写もあったので、多分２０歳は離れてるんじゃないかな。攻めが年上だとどうしても保護者目線だったり過保護な面もありますけど、微笑ましいレベルの話で、恋愛についてもしっかり組み立ててあって面白かったです。特に和智と槙尾が絡んできてからは、哲学じみた話が多くなった気がします。「相手に好きな人ができたらどうする？身を引くのが相手のためだと思わないか？」の質問に斜め上いく返答をしてみたり、「あの人は何でも知ってるけど、大事な事は何も教えてくれない…じぶんが出した答えじゃなきゃ意味がないって事だろう」とか、深みのある言葉が印象的でした。