銀の鎮魂歌
」のレビュー

銀の鎮魂歌

吉原理恵子/yoco

これこそBLではなくJUNE。

ネタバレ
2023年7月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様もあとがきでかかれていますが、これこそがJUNEなのだなぁと久々に抉られました。
攻めの愛が強ければ、受が執着的に愛されてハッピーエンド。というのが昨今のBLですが、この作品は攻めの愛が強すぎるが故に少しのすれ違いも許せず、愛がある故に執拗に受を虐げ、傷つけ、追い込み、そして自らをも破滅に追い込む…。これがJUNEなのだろうなと、読後呆然としながら思い至りました。
どんなに受ちゃんが許してあげても、受ちゃんを信じない攻が何よりも嫌いなので、私にとっては鬼門の作品ではありますが、これはこれでハッピーエンドだとも思います。
誰1人悪人が出てこないのに、こんなに健気で静謐で、美しい受がなぜこんなに不憫な目にあうのか…。BLが主流となり、精神衛生上良い時代になったなと改めて感じました。
表現は美しく、キラの銀髪の輝きや優美な動きが目にみえるように感じました。だからこそ辛い…。辛すぎる…。
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