わたしの幸せな結婚 2巻特装版【デジタル版限定特典付き】
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わたしの幸せな結婚 2巻特装版【デジタル版限定特典付き】

顎木あくみ(富士見L文庫/KADOKAWA刊)/高坂りと/月岡月穂

千載一遇

ネタバレ
2023年7月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今更ですがレビューを投稿させて頂きます。
分冊で既に読んでいましたが、書き下ろし小説が読みたくて購入しました。本特装版(2巻)は第8~14話が収録されており、描き下ろし漫画・イラスト・書き下ろし小説等々が特典で豪華です。
表紙の美世ちゃんの髪飾りと着物の柄は牡丹でしょうか。牡丹の花言葉には「高貴」や「富貴」の他に「恥じらい」や「人見知り」という意味もあるようですので、この頃の美世ちゃんを言い得ているようです。

自分のお気に入りは11話の『本当のこと』です。美世ちゃんが自身の生い立ちや異能がないこと(実際にはこの後薄刃家特有の強力な異能が発現しますが)を旦那様に打ち明け、そのことを打ち明けずにいたお詫びと日頃の感謝の気持ちを込めて自作の髪紐を贈るシーン。「いつまでそうしているつもりだ」の旦那様の言葉は1話での2人の出逢いのシーンと重なりますが、あの時の旦那様が放った言葉と同じ言葉ではありますが、全然気持ちが違うので感動的です。旦那様の心も決まった瞬間。この時初めて旦那様が美世ちゃんの名前を呼ぶのですよね。「おまえ」から「美世」へ。二人の心が通い合う場面で、愛の芽吹きを感じます。

書き下ろし小説の『五道は見た』は12話の『お礼の宴』での五道氏から見た清霞さんと美世ちゃんの様子が描かれていて、あの五道氏の言葉は美世ちゃんを試していたことを知り「そういうことだったのか」とぽんと手を打ちました。上司思いなのですね、五道さん。
『祭りと、特別なもの』では夏祭りの賑わいとは別に少しせつない気持ちになりました。
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