罪深きワルツ
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罪深きワルツ

ポーラ・マーシャル/さちみりほ

ハーレクインらしからぬ…

2013年8月4日
数あるハーレクイン作品の中では珍しい作風です。


まず、この作品の男性主人公には、顔と気弱とも取れる優しさ以外に、全く取り柄がありません。

『美形』『大富豪』『自信家で傲慢』な男性との非現実的な激甘ロマンスが特徴のハーレクインでは、かなり珍しい設定ではないでしょうか。


その何も持たない主人公・ウィルが、その美貌を駆使し、財産家の娘と婚約するところから物語は始まるのですが…そのヘタレっぷり…いやいや、優しさゆえに詰めが甘く、彼の思う通りに物事が進まない。


そんなこんなで彼は、全く考えもしない事態に陥りつつも、愛すべき女性と出会い、幸せな結末に…


と思ったら、またその優しさゆえに、その愛を手放してしまいそうになります。まあ、物語の全ての事態は、彼の優しさに起因しているわけですが…


しかしそんなヘタレな彼も、愛する人達の為に、暴漢相手に戦いを挑んだり、冷酷な社交界にハッタリをかましたり、俄然強くもなれます。散々な結果に終わる事がほとんどですが、女なら、自分の為にあれほど必死になってくれる男がいたら…惚れちゃうよなあ…


ともあれハーレクインならではのハッピーエンドですから、安心して読めます。ドロドロの展開好きな私には少し物足りない感があるので、☆は4つ。
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