レビュー
今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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ちぎれた私の堪忍袋の緒2025年1月2日まさに王道のハーレクイン作品です。不遇過ぎるヒロイン&クズゲス男を書かせたら天下一品、ダイアナ・パーマーさん原作です。
看護師として働くヒロインのノリーンは孤児で、幼少期に裕福な伯父夫婦に引き取られ、不遇な扱いを受けながらも優しい女性に成長し、やがて、夫婦の実娘で従姉のイサドラの婚約者として現れた、優秀な心臓外科医のラモンに叶わぬ恋をしますが、ある出来事をきっかけに、ラモンと伯父夫婦に蛇蝎の如く憎まれ、自身も心臓の病に侵され、苦しみと孤独、罪悪感に苛まれながら日々を送っていましたが…安心して下さい。ハーレクインですから、ハッピーエンドです。
絵もキレイで、ストーリーも『一見』良くまとまっています。クズ男のラモンと伯父夫婦の設定に、少なからず違和感がありました。
まずラモン。ノリーンへの罵詈雑言、特に患者として目の前に現れた彼女に対する発言が、どうにも医療に携わる人間のそれじゃない。そして伯父夫婦。血の繋がった姪のノリーンに対する扱いがひどい。ラモンも伯父夫婦も、病気のノリーンへの誤解が解けた後の手のひら返しがさらに腹立つ。私の場合、ちぎれたのはハートではなく堪忍袋の緒でした。
それでも、ノリーンの聖女のような優しさが、殺伐とした作品の雰囲気を和らげ、暖かな読後感にしてくれます。邦題の『ちぎれたハート』は、彼女の壊れかけた心臓と、踏みにじられた優しい心、2つの意味があったんですね。彼女の優しい魂に触れたい方は、ぜひ読んでみて下さい。いいね
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誰一人まともじゃない2020年10月6日前に某有名探偵の孫の、犯人視点の作品を読んでいて、ご長寿漫画のスピンオフであるこの作品も同じ感じかな~なんて思って、1話だけ買ってみたら…何コレ楽しい😄
探偵の孫の方は、本編の数ある作品の流れに沿いつつ、犯人達が犯行やアリバイトリックに挑む際の葛藤や迷走をコミカルに描いているのに対し、こちらの『犯沢さん』は、初めから迷走しっぱなしです(笑)スピンオフですから、『名探偵コナン』の主要キャラや犯人も随所に描かれてはいますが、何か違う。まともじゃない。いや、彼等以外の、街中を歩くモブキャラでさえ、誰一人としてまともな人間は登場しません。もう独立した完全に違う作品と言っても過言ではないかも(笑) -
読みづらい…2020年10月6日赤川次郎氏の原作をコミック化したもの3編が収録された作品集です。
シリーズ物のようですが、1話ずつ独立した形になっています。
ジャンルは女性マンガのミステリーですが、妙な迫力があり、一部の女性キャラの胸が極端に強調されていて、何だか青年誌のような絵柄です。そして、全体的にゴチャゴチャした印象で、肝心の内容が頭に入ってきません。
ストーリー運びも少し雑で、起承転結がしっかりしていないせいか、いつの間にか謎解き→結末になっている印象です。
漫画家の方には申し訳ないんですが、辛口のレビューとなりました。いいね
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優しい二人に感動💗2020年2月22日絶世の美女だったり、地味な外見を努力で変えて美しくなったり…ハーレクインのヒロインはだいたいがそんな感じですが、本作品のヒロイン・ライラは、そのハーレクインの王道設定から少し外れています。
セクシーな声に見合わない大柄な体型の彼女は、そのギャップの為、周囲から侮蔑やからかい、悪意を投げつけられ、傷付きながらも懸命にキャリアを積む、私から見ればかなり魅力的な女性。しかし周囲(とりわけ男性😠)は、その魅力に、後に出会うイーサン以外は気付きません。
慈善事業のオークションがきっかけで出会う二人は、ゆっくりと、しかし着実に愛を育んでいきますが、問題が山積して、なかなか歩み寄れません。何より問題なのが、彼等をとりまく周囲の人間です。
二人に理解を示してくれるのは少数で、ほとんどの人間は、やはりライラに悪意を抱いて接します。作中のイーサンの妹のセリフにもある通り、世間の『普通の人間』というのは、何故、外見や内面、言動が『標準外の人間』に対して、これほど悪意をあからさまにしてくるのか…その無駄で馬鹿げた行為をする人間の意図が、私には理解出来ません。
お互いを想い合うう優しさゆえに、一度は離れてしまう二人ですが、その優しさゆえに、やはり二人は結ばれます。ハッピーエンドで良かった✨
何年も前に購入した作品ですが、ハーレクインでも屈指の良作だと思います。いいね
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メナちゃんとカマルおじさん❤2019年7月14日この作品は、ハーレクインの王道設定・シークと異国の女性とのお話です。
シングルマザーの主人公・カルメンは、愛娘のメナの父親でシークのファルークに、娘の親権を盾に結婚を迫られます。
そもそも子を宿したカルメンがファルークの元を去ったのは、いろいろな事情や政治的な陰謀が絡んでの事。決して心底憎みあっているわけではないのです。
が、カルメンが抱えるある秘密が、彼女をがんじがらめにして、そうすんなりと話が進みません。果たして二人は幸せになれるのか?
まあラストはハッピーエンドです。優しい絵柄も相まって、読後感はすっきりです。
ちなみに、この作品はジュダールのシーク三兄弟のシリーズ物の一つのようです。本作中にもちらっとファルークの弟達が登場します。末弟のカマルがメインのお話もあるようで、別な漫画家さんが書いたそちらのカマルは、クールで完全無欠の美形に描かれています。が、私は本作の、無骨で不器用そうな、厳ついカマルの方が好み💗特に巻末のおまけ、メナちゃんに翻弄されるカマルおじさんの姿に萌えます💗いいね
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そう来たか‼2019年7月14日一国の王女と平民の男性の身分違いの恋…よくあるハーレクインの王道設定ですね。
この作品も、主人公たるイザベラ王女と、美術鑑定士のニックの、そのハーレクインあるある設定の話かな?と、途中まではそんな印象でしたが…イザベラの故郷・サンリミ王国にまつわるある呪われた伝説が、ファンタジーのように物語を大きく変化させます。
作中の人物『二人』が、その伝説に深く深く関わっています。はい、『二人』ですよ。大事なので二回言いました(笑)
一人は、まあ大体見当がつくと思いますが、もう一人は予想だにしない人物だった…
お話自体はハッピーエンドで、絵も可愛らしく、すっきりとまとまっています。良い作品だと思います。いいね
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HQ屈指のかわいそうなヒロイン2019年7月14日これまでたくさんのハーレクイン作品を読んできた私ですが…本作品の主人公・アヴァは、その数多いハーレクイン作品の中でも屈指の不幸なヒロインだと思われます。
家族にも恵まれず、事故の加害者という大罪を背負い、それでもくじける事なく健気に生きるアヴァ…その姿に、被害者の兄であるヴィートも惹かれていきます。
しかし、アヴァの過去や立場やヴィートの社会的地位が、二人の恋の障害となり、加害者の社会復帰の難しさも含め、二人の仲は進展しません。
ですが安心して下さい。ハーレクインですから、ラストはハッピーエンドです。これまで不幸だったぶん、幸せになれて良かったね、アヴァ。いいね
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頑なにも程がある💢2018年11月3日ここ2~3年、規制規制の時代の風潮からか、妙にあっさり薄味な印象のハーレクイン作品ばかりでしたが、この作品は、久しぶりに少し濃厚な味わいのあるお話です。
スキャンダラスな女優の娘・主人公のキーリーと、お金持ちの働き虫・アリストン…愛情に恵まれない二人が出会い、惹かれあうものの、キーリーの母ちゃんの奇行とアリストンの女性蔑視と頑なさのおかげで、二人の仲は全く進展しません。
昨今ネット等で、女性に相手にされない鬱憤を口汚い女性蔑視発言で晴らす非モテ男性を見かけますが、アリストンの頑なさはそれに似ています(ただしアリストンは超絶モテ男)。
アリストンへの愛情から、彼に歩み寄ろうと努力するキーリーが健気です。美人でスタイルも抜群、気立ても良いキーリーのような得難い女性はそうそういないのに…アリストンの奴。
絵はキレイだし、話の運びもスムーズ、ラストはハッピーエンドですので、安心して読めます。
最後に。キーリー、良かったね。貴女のような苦労を重ねた人間こそ、幸せになるべきだと思うから。 -
幽玄にして繊細2018年6月27日日本の怪異譚から現代のサスペンスまで、幅広いジャンルを描きながら、決してぶれる事の無い一本筋の通った作風の波津彬子先生が、『修善寺物語』や『半七捕物帖』等、これまた幅広いジャンルの作品を世に送り出した鬼才・岡本綺堂の幻想譚『玉藻の前』を漫画化したものです。
『玉藻の前』は、長い年月を経て不死の魂を得、転生を繰り返しながら人の世に災いをもたらす妖狐・玉藻の伝説をベースに、岡本綺堂が、敵対しながらも玉藻を乞い慕う青年との悲恋の物語に仕上げた作品です。
本作品は、概ねこの原作に沿った形で進行していきますが、そこは幽玄にして繊細な作風の波津先生、原作の雰囲気を損ねることなく、独特の描線や人物描写に代表される、ご自身の持ち味を存分に発揮しておられます。
派手な色合いを抑えた繊細な日本画のような表紙も、また良い味を出しています。
ちなみに、同じ原作を、これまた大御所の漫画家・さちみりほ先生も描いてらっしゃいます。
あちらは持ち味の繊細で可愛らしい描写で、だいぶ少女漫画っぽい仕上がりになっていますが、また違った味わいがあり、どちらも甲乙つけがたいです。 -
よく喋る悪党たち2018年6月27日いやあ、この漫画は面白い。無個性で流行りの後追いみたいな漫画ばかり発信されるこのご時世、こんなに面白い作品に出会えるとは。
アニメを見ない私が、まず主題歌→アニメ→原作と流れ流れてたどり着いた作品。
東南アジアの架空の街を舞台に、流れ者の個性的な悪党どもが日夜死闘を繰り広げるガンアクションです。
物語は、ひょんな事から安穏とした日本社会と訣別した日本人青年・ロックが、女だてらに二挺拳銃(トゥーハンド)の異名を持つ凄腕のガンマン・レヴィや、経歴不明の自称元傭兵の経営者・ダッチ、天才的ハッカーのベニーで構成される『ラグーン商会』に雇われる経緯から始まります。
この職場、仕事柄、様々な組織や悪党と共闘したり、あるいは敵対したりと、まあ休む暇もございません。
そして彼等を中心に集う悪党たちも、元は某国の軍隊だったり、元刑事だったり、CIAだったり、テロリストだったり…これまた個性的。
その個性的な面々が繰り広げる破天荒な物語の見所は、何と言ってもアクションシーン。まるで体の一部のように自在に銃を使うレヴィのカッコいいこと…女の私でもしびれます。
そして、作中あちこちにちりばめられた、個性的な面々が放つ、ウイットに富んだ台詞使いがまた魅力的です。
普通悪党はこんなに喋んないって(笑)喋る前にズドンだって(笑)
まあそんな個性的かつ魅力に溢れた悪党たちの、イキイキとした日々命懸けのスリリングワーキングライフ、とても面白いですよ。オススメです。 -
続編読みたいっ!!2018年1月3日時は江戸時代、複雑な事情を抱えた女性達を救う堕胎医・おげん先生が、花のお江戸に蔓延る悪と闘う、謎解きありアクションあり、また随所にエロありのサスペンスです。
堕胎医という職業柄、おげん先生は、男女にまつわる様々な事情で犯罪に関わり、また自身も危うく巻き込まれたりと、とっても忙しそう(笑)
また、お喋りで探偵並みの嗅覚を持つ助手や、全く頼りにならない用心棒、江戸の治安を守るべき立場にありながら、強請集りに邁進する岡っ引きなど、彼女を取り巻く人間模様も楽しい♪
そんな彼女もまた、ある事情で医学の道を断念し、それでも医師への憧れを絶ちきれず、堕胎医として、苦しむ女性を救う道を選んだ経緯があり、その辺りに、女の業というものを感じさせられます。
ストーリーもさることながら、絵も丁寧でキレイです。
この作者さんは現代物を描く事が多いようですが、さすが大御所、時代物の描写もなかなかのものです(日本人らしからぬ登場人物の顔の濃さは、この際ツッコまない)。
この作品は全2巻で完結しています。すごく面白い作品なので残念です。
続編出ないかなあ…いいね
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キラキラ女子(笑)2018年1月2日やたらあちこちでこの作品の宣伝を目にするので、購入しました。
生まれてから20代までのキラキラした栄光の日々を忘れられない30代の主人公が、ネットでも現実でも
、他の人からの称賛が欲しいあまりに、いろいろと暴走するお話です。
まあ痛々しいことこの上ない…終盤、キラキラ女子のメッキが剥がれた主人公に対する周囲の人間達の対応が、とても痛快。
実話を元にした作品ではないんですよね?でも現実にかなりいそう…こういう人。ここまでヒドイのはいないでしょうけど…
食べるのそっちのけでSNS用の料理の写真撮りまくってる人とか、どう見てもガッツリ修正入った顔を自撮り写真をアップしてる人とか、少なからず、この漫画の主人公みたいな傾向があるんじゃないかな。ちなみにそんな無個性で上っ面飾ってばかりのインスタやらブログやら、私は絶対見ませんけど(笑)
皆様のおっしゃるように、掲載上の規制の都合もあるのでしょうが、もう少しページ数があっても良かったですね。 -
あたたかで優しいお話…2017年12月24日あらすじにもある通り、手違いで見知らぬ男性の子を身籠ってしまう…ハーレクインで最近ちらほらと見かける設定。
本作の主人公・アンジーも、体外受精を受けた病院の手違いで、夫ではない、全く面識の無い男性の子を宿します。
アンジーとその子の遺伝的な父親である投資家のドミニクは、出産までの間だけ共同生活を送る事になります。その中で次第に惹かれ合う二人ですが、お互いの伴侶との間の様々な問題や悲劇が影を落とし、二人の仲は進展しません。
果たして二人はそれらを乗り越え、見事結ばれるのか?乞うご期待。
話としては、ハーレクインでは特に珍しくない設定で、絵もキレイで可愛らしいですが、個性的とは言い難く、あまり印象に残らないかな?と、正直冒頭では思いましたが…その予想は見事に裏切られました。
とにかく読後感がとても暖かい…凄く幸せな気分になります。
特に印象深い話でもなく、私の大好物のドロドロの愁嘆場もない…同じような話もよく見かけるのに…これは漫画家さんの隠れた力量なのか…優し気な絵なのに、不思議だ…
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オフィスで戯れる奇行人たち😄2017年12月17日潰れかけた義兄の広告会社を建て直すべくシチリアからやって来た情熱の奇行子…間違えた、貴公子・ジャンカルロと、美貌の女秘書・ナタリアの、謎と愛憎が渦巻く恋愛物語です。
物語はハーレの王道を地で行く設定で、ジャンカルロもやはりナタリアを『義兄の秘書=愛人』と決めつけ、実姉のアレグラの為に、アレコレ策略を練ります。もちろんナタリアは愛人ではないのですが…まあ、ハーレを読み慣れた方なら、冒頭で察しがつきますね。
その策略を華麗にかわしながら、ナタリアもジャンカルロに惹かれていくわけですが…下着姿になったり、それ以上の事をしたり…会社存亡の危機だというのに、恋する二人がオフィスで繰り広げる奇行の数々は、見物です(笑)仕事しろよ、アンタ達(笑)
このように、登場人物のほとんどが己の情熱の赴くままに行動する奇行種ですが、彼等の暴走を丸く納めて大円団に導くのは、この物語の唯一の良識人、ジャンカルロの姉のアレグラですね。彼女の粋な計らいがとても良い❤ -
こ…ここにもいたアホ男…2017年9月17日以前、やはり『花嫁が純潔でない』とヒロインを蔑むアホ男のハーレクイン作品を読みましたが、ここにもいた…同じようなアホ男…よく見たら、同じ原作者のようですね。
この作品の準主役たるイタリアの伊達男・ジョヴァンニも、自分の妻のアレクサが純潔でない事にこだわり、腹をたて、ふしだらな娼婦のようだと蔑みます。しかも、あれだけ罵倒しておきながら、スル事はちゃんとスル。真正のアホ男です。
まあ、後に明らかになるジョヴァンニの生い立ちを考えれば、ああなっても仕方ないかもしれませんが、それを差っ引いても、アレクサに対する仕打ちは酷い。このアホ男を愛しぬけるアレクサは、まるで仏のようです。
ハーレクインですから、ハッピーエンドではあります。
絵もストーリー運びも若干雑で、キャラクターの設定も確立していない印象を受けました。子供が可愛いから、☆2つ。 -
あっさり薄味2017年7月15日女優志望の主人公・セージと、クールな敏腕(?)弁護士のケイレブの、ニューヨークを舞台にしたお話です。
その敏腕(?)弁護士が、立ち寄ったバーで、いつか華やかな舞台に立つ事を夢見てアルバイト三昧のキュートな女の子を食っ…じゃなくて、助けた縁で結ばれます。
甘い夢はつかの間、セージの生い立ちや人間関係、ケイレブの仕事の遂行で、物語はこじれにこじれ…
まあ、ハーレクインにはよくある設定で、全体的にあっさりまとまっています。まとまり過ぎて、『あれ?二人の恋愛以外の諸問題はいつ解決したの?』と、若干の違和感が残りました。他のレビュアーさんのおっしゃる通り、ページ数があれば、もう少し深い内容になったのではないかな、と。
ともあれ、絵はとてもキレイで、作品全体にセージの爽やかな魅力が満ち溢れ、その魅力に知的なケイレブが振り回される姿は楽しかった(笑)読んで損はありません。 -
たまにはこんなハーレクインも良い2017年3月5日…まあ、年若い娘さん達にゃ、なかなかわかるまい。
精一杯背伸びをしてみたり、慣れない手管を使ってみたり、誰かがその為に傷付くだろうとか、その結果の善悪も考えず、ただただ感情の赴くままに行動して、大失敗して泣きを見たり…私にも、そんなキラキラした、眩しくも残酷な少女時代も確かにあった…
…なんて、そんな感傷に浸りながら読んだ作品でした。
昼メロみたいな劇的な展開や、ドキドキするような濃厚なラブシーンは、本作品にはありません。ハーレクインらしくないと言えば、確かにらしくない。
しかしながら、読み終えた後、この懐かしいような、ほろ苦いような、もう二度とあんなキラキラした時代には戻れないという切なさが、じわじわと湧いてくる…印象深い作品でもあります。
たまにはこんなハーレクインも良いと思いますよ。
嗚呼、こういう作品を読んで『こんな時代もあったな…』と懐かしむ…私も年を取ったんだな。 -
……イライラする💢2017年2月26日作品の冒頭からイライラしっぱなしですわ💢
とにかくヒロインが終始ウジウジメソメソで💢
ストーリーは、ハーレクインによくある『地味な女の子が華麗に変身』パターンで、その華麗な変身っぷりに、ヒロインの意中の男性がムラムラ……間違えた、徐々に惹かれていくという物です。
本作品は、田舎育ちの牧師の娘が都会のオフィスで働く設定ですが…
社会人生活が長い私からすると、ボスに仕事が遅いと言われて、メソメソしながら言い訳するヒロインがまず信じられない。そこはハッタリかまして涙を隠し、裏で死に物狂いで努力せんかい💢💢アタシならそうする(←だからモテないんだよね、ハイハイ)。
その後も彼に服装や見た目を貶されたと言ってはウジウジメソメソ、男を見る目がないと言われウジウジメソメソ…
……嗚呼、イライラが止まらない…
まあ、絵のふんわりした可愛らしさも手伝って、微笑ましいラストになったものの、何だかスッキリしない読後感。
この漫画家さんのせいではないけれど… -
砂塵舞う幻の国の復讐譚2016年12月3日シーク物、復讐物の多いハーレクインの中でも、この作品は随所に血の匂いが充満しています。血腥いです。
暴徒に故国を滅ぼされ、その遠因となった事件を引き起こしたかつての友好国・カドラの王へ復讐する事だけを糧に、奴隷のように這いつくばって生きてきた孤高の王女・サマラが、現カドラのシークへの復讐を決行するところから物語が始まります。
両親の仇であるはずの彼の気高さ・思いがけない心の広さに、サマラは否応なしに惹かれていきます。
まあこれも、ハーレクインにはよくある展開ですね。
16年も苦しんできた割には、やけにあっさり復讐心を捨てられるな、と、ちょっと違和感も感じましたが、親同士の血腥い報復の応酬に傷付き、振り回された二人だからこそ、互いを赦す事が出来たんでしょうね…それに、一番悪いのは、自分の感情の赴くままに行動して両家の争いの発端を作り、最後に娘に全てのツケを押し付けて狂い死にした、サマラのお母ちゃんだもんね。
私としては、もうちょっとサマラに復讐心をキープしてもらい、シークを振り回して欲しかった… -
謎が盛りだくさん2016年12月3日最近あっさりした作品が多いなかで、いや~、久しぶりに面白いハーレクイン読んだわ。
主人公ローラの、いきなりの余命宣告から始まるこの作品、冒頭から嵐の予感満載です(笑)ちなみに上下巻を一巻にまとめた長編です。
限りある時間の中で思うまま生きたい…悲壮(?)な覚悟で、出会ったばかりの謎多き美貌の私立探偵・ショーンの事務所を訪ね、ある無謀な依頼をするのですが…
かなり早い時点でこの二人は相思相愛になるのですが、そこは長編、すんなりハッピーエンドにゃなりません。ローラの病、彼女の財産に絡む複雑な人間関係、ショーンの生い立ちや過去、彼の関わる事件等々、二人を振り回す要素が盛りだくさんで、『え?え?どうなっちゃうのコレ💦』な感じになります。少々盛り過ぎな感も否めない(笑)
なお、ローラの病に関しては、勘の良い方なら、それがどのように解決するか、冒頭で察してしまうかもしれません。だいたい余命宣告受けた人間にしては、元気すぎるだろ、ローラ。
ショーンの職業柄、サスペンス要素もふんだんに取り入れられています。最後まで真犯人はわかりません。内田先生のニクい演出で、主人公二人以外の登場人物全てが怪しく見えます。
絵は丁寧でキレイ、話の運びもスムーズで、とても良い作品ですが、中盤からのショーンの頑なさがじれった過ぎて、星4つ。 -
髪型で遊んではいけない(笑)2016年8月28日いきなり妙なタイトルでスミマセンm(__)m
本編よりもそちらが気になったもんですから…
その気になる髪型の持ち主であるお金持ちイケメンのアザンと、孤独な田舎娘・マリサのお話です。
当初アザンはマリサにある疑惑を持ち、罠にかけようと彼女に近付きます。知らずに彼に惹かれていくマリサとアザンの行く末は…!?
ハーレクインだからハッピーエンドはお約束。
惜しむらくは…アザンが抱いた疑惑。彼の妹夫婦に関わるものなのですが、これがまあ、ハーレクインではよくある王道の設定で、ある程度ハーレクインを読み込んでいる方であれば、冒頭で気付いてしまうほどに、王道。
まあ、それは原作者の決めた設定…漫画の方の作者さんはベテランですので、この使い古された設定の物語を、美麗な絵とテンポの良いストーリー運びで、すっきりまとめています…少々物足りないくらいに(ゴメンナサイ)。
昼メロ的ドロドロ展開が苦手な方や、ハーレクイン初心者にはちょうど良いかも。
ちなみに…この作者さんの作品は、巻末にオマケがあるのが特徴。当然、この作品にもオマケがありますが…
そのオマケに、このレビューのタイトルに繋がる秘密が!! -
シロちゃん(*´ω`*)2016年7月3日タイトルまんまの内容です。編集者のあかりさんと、その飼い猫のシロちゃんの、不思議で怖い日常を描いた作品です。
あかりさんもシロちゃんも、共に霊感がある為に、驚異的な確率で心霊現象に出くわします(笑)そして、彼女達に関わる人物も、否応なしに巻き込まれます。そして、類は友を呼ぶってヤツですか、あかりさんと親しくなる人物は、90%が霊感体質です。
一話完結の心霊譚ではありますが、ほとんどのエピソードがほのぼのとした終わり方です。絵もキレイで優しげで、グロさは欠片もありません。長編ですから、多少のマンネリ感は無くも無いですが、何故かついつい読んじゃう😺
ちなみ、不思議可愛いシロちゃんが私の一番のお気に入りですが、次にお気に入りなのが、たまにあかりさんにシロちゃんの世話を頼まれる時に、いそいそと猫用グッズを買い揃える、やはり霊感体質作家の草馬先生。この二人(一人と一匹?)がタッグを組んだら、サイキックアクション漫画が生まれそう(笑)いいね
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王道・記憶喪失もの2016年6月21日飛行機事故で九死に一生を得、それまでの記憶のほとんどを失ってしまった主人公のお話です。
馴染みの無い自分の名前、住まいや家族、元婚約者のウィル…違和感ばかりの生活の中で主人公は、少しずつ記憶を取り戻していきます。
元婚約者のウィルもその不思議な違和感を感じ、主人公にある疑惑を持ち始め…
やがて最悪のタイミングで全てが明らかになります。果たして主人公の名はシンシアなのか?エイドリアンなのか?まあ、いろいろ伏線が張ってあるから、丸わかりですが(笑)
ベテランの作者さんですので、話の運び方もスムーズで、絵もとてもキレイ。細部にわたってとても丁寧にお仕事をされていらっしゃいます。
特に、作中の『プロ仕様のミシン』。私もいわゆる『プロ仕様のミシン』を使うので、あのミシンがとても丁寧に描かれているのがわかります(アシさんが描いたものかもしれませんが)。
ハーレクインの王道設定・記憶喪失ものですが、ハラハラドキドキ感は少なめで、あっさりしてます。昼メロ的ドロドロ愁嘆場が苦手な方には、安心して読めると思います。 -
ワンコ好きさん要注意な作品(笑)2016年5月5日ハーレクインは人間の女性が主人公ですが…本作品の主人公は……ワンコのクリオです。絶対に(笑)
恋に傷付いた主人公・マディが、プレイボーイのマックスに恋愛指南をしてもらうべくいろいろと画策しますが、純真で天真爛漫な彼女の画策(主に誘惑)は、画策になりません(笑)
まあそんな所にマックスも惹かれて、結果ハッピーエンドですが(笑)(笑)
設定がハーレクインによくあるものでもあり、かなりあっさり読めてしまうせいもありますが、それに拍車をかけるように、随所にちりばめられたクリオちゃんの愛らしい姿が、ストーリーに集中するのを阻んでくれます。ワンコ好きな方は要注意です。唸る彼女に萌え死にます(笑)いいね
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タイトル通りの…2016年3月21日だいぶ前に読んだ作品ですが、漫画好きの私が、それこそ無数に読んできた漫画の中で、強く印象に残った作品だったので、また読み直してしまいました。
ジャンルはサスペンスです。しかし、血生臭いシーンはあまり無く、それどころか読み終えて感じるのは、切ないような悲しいような、それでいて温かな気持ち…こんな読後感のサスペンスって、あまりありませんね。
本作は短編集ですが、全編通して、タイトル通りの『優しさ』が満ち溢れています。中には罪に手を染めてしまう登場人物もいますが、その人物にさえ温かな眼差しが注がれて…作者が優しい方なんですね、きっと。
絵はタッチが少々荒くて地味な感じもしますが、柔らかな作風にマッチして違和感はありません。
ドロドロとしたサスペンスに飽きたら(?)、読んでみて下さい。良い作品ですよ。いいね
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愛と滅びの壮大な叙事詩2016年3月6日言わずと知れた、北欧神話を題材にしたワーグナーの壮大な歌劇『ニーベルングの指環』を漫画化した作品です。あのとてつもなく長~~~~い歌劇(上演は4日連続でしたっけ?)の、序盤の部分は省かれています。
手にした者に栄光と破滅をもたらす黄金の指環をめぐり、神々や英雄の数多の血が流され、やがて抗えぬ宿命の渦に巻き込まれて全て消え行く…
北欧神話の根底にある、神さえも逃れる事が出来ない『滅び』が、随所にちりばめられています。
………なんて、どれだけシリアスな内容なんだと思われるかもしれませんが…いや確かに本作品はシリアスで壮大な物語ですけど。よく考えると、事の発端は大神の浮気ですし、神様も人間の策略にはまっちゃうし、何となく人間臭さが漂うお話で…まあ、それも全て『愛』の成せるわざでして。
『愛』ゆえに神々も人間も惑い、傷付き、滅びの道をひた走る…
作者のアレンジした一部を除き、原典に沿う形で全体は仕上がっています。絵も古さはあるものの、荘厳な物語にふさわしい美しさがあります。
そのアレンジされた一部………原典には絶対に現れるはずのないある人物…まあ、服装と顔つきを見ればだいたい予測出来ますが、みんなご存知のドイツのアイツ(笑)が、作品のラストを引き締めます。
いやはや、こういう結末か…上手い。 -
好みの問題か2016年3月6日無料キャンペーンで1巻だけ読みましたが…続きはもう見なくていいかな…
見目麗しい華族のお坊ちゃんが、市場で大枚はたいて買った女の子を、理想通りの『女』に育てていくという問題作です(笑)
こう書くと現代版『源氏物語』といった趣ですが、中身は『源氏物語』ほど繊細ではありません。ただただ、二人の耽美(?)な世界が繰り広げられるだけ。
主人公の真珠にしても、『どこに出しても恥ずかしくない女』に5年もかけて教育したわりには、お客様に対する接し方も言葉使いも品が無く、見た目が少々日本人離れしたエキゾチックなキレイさがある以外、個性も取り柄も根性も無い。
そんな無個性な、自分で人生を切り開く事が出来ないような少女が、囲われた男にただ愛される…そういうストーリーが好きな方にはたまらない作品なんでしょうね。
絵も少々見づらくて、場面転換もわかりにくい箇所があり、たまに混乱します。 -
母ちゃん(笑)2016年3月2日※ 本作品はコメディではございません。ラブストーリーです。
……………ほら、まあ、一応冒頭で言っておいた方が、ね?私のこの駄文を読んで下さる神様のような方々が誤解するといけないし…
それくらいコメディタッチな作品です(笑)バツイチ恋愛小説家のマージーと、これまたバツイチ金持ち男・キャノンとの、互いの身内の結婚を軸にした熾烈な争いを、華麗な筆致で描く恋愛スペクタクル(笑)争いの火種はやがて、上流階級と労働者階級との闘いにまで燃え移……………らなかったようです。ハイ。恋愛漫画だからね。
マージーもキャノンもお互いに惹かれ合いながらも、破綻した結婚生活のトラウマから、なかなか前進出来ません。しかも、ある理由からマージーは自分が有名恋愛小説家である事をキャノンに言い出せず、それが後々問題になります。
ともあれハッピーエンド&登場人物に悪人ナシの安心設定です。特に、一見完璧でどこかぬけてるキャノンと、彼のお母さんが最高(笑) -
赤毛フェチかと思いきや2016年3月2日いきなりのエッチぃシーンから始まるこの物語、どんだけハードなお話よ、とか思いつつ読み終えた時、涙が一筋頬を流れていました。良い話です。
主人公のパーラと、彼女の亡き夫と多少関わりのある富豪のアリオンが、互いの過去の傷を埋めるように逢瀬を重ね…どうやらシリーズ物のようで、以前読んだハーレクイン作品の登場人物の名前が随所に出てきます。パーラの夫も、またアリオンの兄弟もその一人で、それらの物語に複雑に絡んできます。
私的には見所と言えば、まあハーレクイン作品だから多少マイルドなセッ………違う違う、亡き妻を想うアリオンの、胸が痛くなるようなシーンの数々です。よくあるハーレクインの設定、『妻とは政略結婚だった』とか『愛と勘違いしていた』とかではなく、彼は心底奥さんを愛し抜いているんです…同じ病気で家族を亡くしている私には、直視するのが辛いシーンばかりでした。
だからこそ、終盤でアリオンが口にする台詞に胸を打たれます。泣けます。そしてオマケのページで笑わされます。
ちなみにパーラの元旦那の方は、もうカッチカチのハーレクイン王道設定のゲ(以下略)。
ハードでエッチぃ展開を期待する方は、やや期待外れになるかもしれませんが、読んで損は無し。 -
私もパンケーキが食べたい🍽2016年2月21日いきなり妙なレビュータイトルですみません…
でも本作品において、パンケーキは重要なキーアイテムなんですよ。
ストーリーは、ハーレクインによくある『秘書と社長もの』。仕事に恋愛感情を持ち込まない主義の二人が惹かれ合う、王道中の王道です。
主人公のクールビューティーな秘書・ブリアナも、イケメン社長のサキスの肉体美を目の当たりにして(笑)少しずつ惹かれていきますが、彼女には、愛するサキスに打ち明けられない秘密があり…
その秘密と、会社を揺るがす重大トラブルが絡み合い、二人は否応なしに翻弄され、お互いに惹かれあいながらすれ違います。
果たして二人はどうなるのか…?
まあハーレクインですから。ハッピーエンドにゃ違いないんですが、もう少し、ブリアナの秘密で盛大に盛り上がって欲しかったかなぁ?トラブルもあまりにあっさり解決してしまった感が否めないし。
ただ、絵はとてもキレイです。ブリアナの可愛らしい一面がよく描かれています。この作者さんの描く女性は、総じてキュートです。男性も素敵ですけど😊 -
朝のコーヒーだけで(笑)2016年2月11日恵まれない家庭環境で育った頑なな主人公・ジェシカが、遺産相続の為に訪れた美しい島で出会った小説家のセブと恋に落ちるお話です。
どうやらジェシカの出生には秘密があり、彼女の唯一の肉親の伯母と生前友人だったセブは、その秘密の何かを知っている節がありますが…それは読んでのお楽しみ♪
前半、二人が徐々に惹かれ合う様子が、島の美しい描写と相まって『えぇ話や…』なんて思いながら読んでいましたが、後半、些細な、本っ当に些細なすれ違いで、二人は破局寸前まで追いやられます。作中のあの台詞だけで『君もふしだらな女なのかー』と嘆くセブの被害妄想にドン引き…まあ彼にも過去の恋愛絡みのトラウマがあるから、無理からぬ事なんですが。
冒頭で既にラストの展開が想像出来て、ほぼ予想通りの展開。もう少し、中盤に出てきたナントカいう女の子が二人を引っかき回してくれたら、もっと面白かったんではないかと。
でも絵柄はスッキリしていてキレイだし、ハッピーエンドで良い話ですよ。 -
キノコが魅せる幻想奇譚2016年2月11日ホラーミステリーの大御所・高階先生の、幻想ミステリー作品です。2つのお話で構成されています。
不幸な環境で育った主人公が、現実と幻想の境界線が曖昧な森で出会った不思議な青年の導きで、本来の自分自身を取り戻していくストーリーです。
大御所の作品ですから、多少の絵柄の古さは否めませんが、それを忘れさせるほど、ストーリーは斬新で面白いです。
本作品はキノコが重要なキーアイテムです。大事な事なので2回言います。キノコです(笑)
ミステリーやファンタジーって、剣や杖や宝玉、魔法書や古文書なんかがキーアイテムな場合が多いですが、高階先生は、不思議で斬新な発想力の持ち主で、時々こちらの予想の斜め上を行く、誰も目を付けないようなアイテムで話を展開させてくれます。すごいですね。
このお話はこれで終了ではなく、どうやら続編もあるようです。
それらに期待を込めて、星4つ。いいね
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愛を忘れた孤高の戦士2016年2月11日ハーレクインの王道・シークと一般女性のお話ですが…本作品に出てくるシーク(?)のサイードは、その王道設定からは少し外れています。
王家の一員でありながら、その王家を守る戦士となるべく育てられ、文字通り『●人マッシーン』として成長した彼が、王位継承問題に巻き込まれた異国の女性・クロエと出逢い、問題解決の為の結婚をして…
幼い頃から戦士としての教育だけを施され、人間らしい感情をことごとく排除されたサイードが、愛する者を守る為なら己を犠牲にする事もいとわないクロエと、どんな風に愛を育むのか…そもそも、人間らしい感情が欠落しているサイードに、クロエを愛する気持ちが生まれるのか…そこら辺は、本作品の肝です。
絵もストーリー運びも丁寧で、読みごたえのある作品です。強いて言うなら、赤ちゃんをもう少し可愛く描いてほしかった…
星5つなのは、終始ほぼ無表情の、愛を忘れたぶっきらぼう・サイードのような人物設定が、自分の大好物だから…かなぁ💦 -
地味!2016年2月11日過去の恋愛のトラウマを抱え、傷付く事を恐れるがゆえに地味を装う女主人公(実はとても美人)…ハーレクインではお馴染みの設定です。
本作品の主人公もその設定です。眼鏡+ダボダボの地味な服を着ていても男が振り向かずにいられないほどの美人………という設定らしいですが、作者の絵柄も地味なせいか(作者様、ゴメンナサイ)、そんな風に見えません。人物の表情も乏しく、主人公がニッコリ微笑むシーンも微笑んでいるように見えませんでした。
でも、主人公達の性格描写には好感が持てました。過激な描写やハラハラするような展開はありませんが、心がフワッとする読後感です。だからこそ、絵柄がもう少し洗練されていれば、もっと良作として評価出来たんですが… -
考えさせられます2016年1月1日最初の1話だけ読むつもりが…続きが気になり、結果全話購入😓それくらい引き込まれます。
心と体の性の不一致という、周囲はもとより家族にさえ理解されない苦しみを幼い頃から抱き続けた主人公が、本来の性を取り戻すまでの凄まじい闘いを描いた作品です。
そんな重いテーマを、大御所である作者さんが、まるで普通の恋愛もののように淡々としたストーリー運びで描いていますが、だからこそ、胸に迫るものがあります。
ちなみに主人公の家は所謂『上流階級』…むしろ裕福でない設定の方がよりリアルに描けるのではないか?現実では同じ苦しみを抱えた方は、偏見もあってか、就職先も限られてしまうと聞きますし…
しかし、重い家名、家族の愛情や期待、それら全てを捨てても『本来の自分』を取り戻したい…主人公の強さ、周囲との軋轢や葛藤を描き切るには、逆にこの『上流階級設定』が生きてくるのです。
ともあれ、いろいろ考えさせられる作品です。読んで損無し✨
ただ、巻で配信していただけたらな、と。話だと読みづらい… -
古い作品ですが…2015年8月13日かなり昔の作品のようですが、そこは大御所・高階良子先生の描かれる独特の世界観と人物設定で、古さを忘れさせてくれます。面白いです。
華々しい舞台を捨てたマジシャン・昌吾さんが、彼の被保護者・由貴ちゃんと共に難事件を解決していくミステリーです。
某有名サスペンス漫画の金●一君やコ▲ン君のように、何度も何度も事件に遭遇する無類のお人好しの由貴ちゃん、それを華麗なマジックで次々と解決する昌吾さん…
時々『おいおい、それで一件落着か?』なご都合主義的な物語の展開もありますが、そこはエンターテイメントとして、頭から削除して読みましょう(笑)
しかし…巻が進むにつれ、昌吾さんと由貴ちゃんの過去が徐々に明らかにされて行くのですが、その過去を巡る似たようなグダグダした話が続いて、正直飽きます。
やっぱり昌吾さんには、スパッと華麗に事件を解決していただかなくてはね(笑)いいね
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主人公がキュート2015年7月4日ハーレクインではお馴染みの設定、偽装婚約から始まるお話です。
主人公・ソフィーが友人のデーモンの婚約者と嘘をついて乗り込んだお屋敷で、デーモンの兄のアレックスと出会い、惹かれあい、嘘がバレた後にあれよあれよという間に同棲を始めますが…
ジプシーの血を引くソフィーの生い立ちからくるコンプレックスのような思い込みと、セレブ一家の長たるアレックスの性分から、二人の甘い生活に影が生じ……
ハーレクインですからハッピーエンドですし、登場人物も誰一人として悪人がいません(強いて言うならデーモンのおバカっぷりが微妙に極悪)。
何より、束縛を嫌う自由奔放なソフィーがセクシーかつキュートです。そんな彼女にメロッメロなアレックスも可愛らしい。
絵も丁寧でキレイです。ドロドロ昼メロ的展開が苦手な方にはオススメです。
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アホですかチーロさん2015年7月4日フィクションながら、これほど腹立たしい男って、なかなかいないですよね。
男主人公・チーロの育ってきた環境や土地柄が彼の考えに多大な影響を与えたのは、無理からぬ事かもしれませんが、『花嫁が無垢でない』、それだけの事で、あれほど主人公・リリーを貶める必要は無いんじゃないかと。狭量過ぎます。無垢ではないと蔑みつつも、する事はする。アホかこの野郎(°Д°)リリーも簡単に許すなよ(°Д°)
母親に対しても頑なな彼です。確かに母親のしてきた事は誉められたものでなく、男の彼に産後うつを理解するのは難しいとしても、大人なんだし、もう少し寛大になってあげたって…
この読後の不快感は決してこの作家さんのせいではなく、原作者の設定の仕方の問題です。絵はキレイでストーリーの運びも丁寧です。全てはアホの子チーロのせいです。 -
カンノーロが食べたい。2015年6月14日でっち上げのスキャンダルから逃避行する女優の主人公・アトランタと、怪我の為に進退を問われる野球選手・アンジェロのお話です。
共に過去のトラウマを乗り越えられずに苦しむ二人がイタリアで出会い、惹かれ合いますが、二人が有名人故に、周囲がそれを阻みます。読み手の私まで悲しくなるくらいです。特にジークの野郎…頭からかじっちゃうぞコラ(#°Д°)
まあラストはハッピーエンドですから。
漫画家さんの作風なのか、ドロドロになりそうな設定でもあっさりしています。ふんわり優しい読後感です。良い作品ですよ。
余談:作中、アトランタがこっそり買ったイタリア名物『カンノーロ』……あれ食べたいな…いいね
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意外な展開2015年5月6日時代設定は少し昔、家族の為に、冷酷な伯爵と政略結婚をする健気な主人公・カロラインのお話です。
冒頭、いきなり心臓の病を持つ伯爵の余命宣告から始まるこの物語、そんな経緯で、後継ぎを熱望する伯爵に嫁ぐカロラインですが…
結果を言ってしまえばハッピーエンドです。お金や過去にまつわる誤解やトラブルも起こりますが、無事解決して、物語は大円団………
え?伯爵の余命宣告はどうなったって?心臓移植の技術も無いこの時代、一年しか生きられないんじゃ、ハッピーエンドじゃないって?
そのあたりもご心配無く。解決しますよ。ポイントはぺ………いや、みなまでは言いますまい。私はネタバレは書かない主義なので。
ベテランの作者さんが描かれただけあって、話の運び方もスムーズですが、好みが分かれる絵ですね。私は嫌いではありませんが。
ただ、カロラインが病弱な弟の為に取ったある行動が、どうしても倫理的に納得出来ないので、☆4つ。 -
絵はきれいですが…2015年2月1日大学生の主人公が旅行先で出会ったイタリア男性と結ばれるお話です。
主人公は、お金持ちのその男性の家族間の確執に巻き込まれ、利用され、誤解に誤解を重ねて二人は1度別れるものの、その確執が元で再会します。そして主人公のお腹に宿った命が、さらに物語を混沌とさせ…
ストーリー的にはハーレクインの王道で、絵も丁寧で美しく、すっきりと読みやすい作品です。ディープなハーレクイン好きには物足りないかもしれませんが、初めてこのジャンルを読む方には良いかも。
ただ主人公が、もう少しで子供が生まれるというのに『諦めた勉強を再開したい』と言ったシーンには、少なからず違和感を覚えました。子育てには費用かかるぞ?まず子供第一に考えないか?母親なら、と。まあ創作物にツッコミいれても仕方ないですが。
その違和感の分だけ、☆-3つ。 -
………???2015年1月30日何と言いますか…登場人物全てに全く感情移入が出来ません…
過酷な状況下で農場を切り盛りする主人公と、自国を発展させる為に奮闘するプリンスのお話です。
リゾート地で出会った二人は、疾風の如くくっついて、三流誌のゴシップ記事や根拠の無い中傷に主人公が振り回され、勝手に誤解し、疾風の如く別れます。
それでもそこはハーレクイン、ハッピーエンドではありますが…この主人公、プリンスから直接ひどい言葉や中傷を受けたわけでも無いのに、勝手に誤解し、怒り出し、叫び出し、逃げ出します…そのくせ、ほいほいプリンスのベッドに入ったり…情緒不安定?
とにかく共感が全く持てませんでした。ストーリーに深みも無いし…いいね
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堂々の完結!2014年11月1日オバチャン姿に変装した極貧女子高生・花子ちゃんと、高校バスケ界のスターで御曹司のイケメン・忍くんの織り成す(ラブ)コメディ『寮母さんは女子高生』の完結編です。
生活の為に素性を隠してオバチャン寮母になりきる花子ちゃんですが、今回は完結編ということで、全てが明らかになります。そして、あまりにも住む世界の違う二人に更なる障害が……
その障害を、花子ちゃんのオバチャンパワーで乗り越える事が出来るか!?
これ以上はネタバレになるから、言いますまい。
このトンデモ設定の作品も、これで堂々の完結となるわけですが、何かの形でもう一度、この二人の奇行……間違えた、二人の愛の奇蹟を見たいものです。 -
トンデモ設定再び✨2014年11月1日オバチャンに変装し男子寮の寮母として暗躍(笑)する女子高生と、高校バスケ界のスターで御曹司のイケメンの二人が織り成す(ラブ)コメディ『寮母さんは女子高生』の続編です。
前作より主人公の花子ちゃんのオバチャンぶりは更にパワーアップ!随所に散りばめられた、某中高年のアイドル漫談家を彷彿とさせる『オバチャンうんちく』がまた泣かせます…
そして、そんな彼女にメロッメロな彼氏の忍くんの奇行もまたパワーアップしています。花子ちゃんのオバチャンパワーに振り回され、インドのスターに夢中な彼女の気を引こうと奔走する姿は、涙無しには語れません(笑)
このシリーズは3部で完結します。それが残念…そう思えるほど楽しい作品です。 -
無茶な設定は数あれど…2014年11月1日男装して男子校に潜入したり、高貴な身分を偽ってみたり、異世界の住人になったり…少女マンガや女性向けマンガには、現実にはまずあり得ない主人公設定の作品は数あれど…
この作品のように、女子高生がオバチャンに変装し、男子寮の寮母になるというトンデモ設定は、私の知る限りは無いと思います。作者さんの『cheese!の核弾頭』の異名は伊達じゃないですね…納得。
この作品の見所は、主人公の花子ちゃんの完璧なオバチャンぶりです。安売りへの異常なまでの執着、羞恥心を忘れた振る舞い、お洒落より機能性重視の服装…本当に君は女子高生かね?
そして素(?)に戻った時の花子ちゃんとのギャップがまた強烈…
そんな彼女にベタ惚れの、高校バスケ界のスター・忍くんもまたとても良い。容姿や才能(性格はやや難あり)、全て完璧で、女の子に不自由しない彼が、花子ちゃんの正体を知ってなお、何故かオバチャン姿の彼女に激萌えしています。
このトンデモ設定を軸に物語は展開して行きます。花子ちゃんの正体がバレそうになったり、密かに付き合う彼女達に様々な障害が立ちはだかったり…
ラブコメと力説されていますが、かなり笑えます。買って損無し。 -
ヒロインがキュート💗2014年11月1日あらすじを読まれた方はわかると思いますが、購入前にあらすじを読んだ私も『何だ?このヒロインの設定は?』と感じました。
法医学調査官のヒロイン…もうそれだけで、ハーレクインではお馴染みのキャリアガール設定からも少々外れていますが…好きな相手に逆プロポーズするなんて…しかも自らバー……いや、皆までは言いますまい。ただかなり異質なヒロインである事は確かです。
しかし読んでみると、何とも可愛らしいヒロインです。美人で強気で知性もあるのに、周りの男どもは何故彼女を放っとくんだ?
ストーリーはというと、ヒロインの設定上サスペンス要素を含んでいます。でも惨たらしい場面があるわけでもなく、ラブストーリーとサスペンスの両方を楽しめます。いいね
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ドロドロかと思いきや2014年11月1日貧しい田舎娘と名門の富豪とのお話です。
現実にはあり得ない信じられないスピードで二人は結婚しますが、身内がふと洩らした一言が二人を翻弄し、頑なな二人は誤解に誤解を重ねて、ストーリーは意外な方向へ……
これは昨今のハーレクインではなかなかお目にかかれない、私の大好物の超絶ドロドロ展開か!? にわかに期待しましたが、とてもすんなりお互いの誤解が解けて、ハッピーエンド…
いや、あれ、誤解が解けたのは何時?不用意な一言で振り回した身内とも和気あいあいだし。
それほどに全体的にスピーディー過ぎるお話です。泥沼化を期待する方には少々物足りません。
まあラストの1ページで少し和んだので、☆3つ。 -
面白さが恨めしい…2014年10月26日花のお江戸を舞台に次々と起こる不思議な事件を、これまた不思議な力で解決していくお妖さんと、自称ケチなチンピラの佐治さんのお話です。
ジャンルはホラーやファンタジーに分類されると思われますが、それだけにとどまらないのが、この作者さんのすごいところです。
読みやすい1話完結ながら、ただの恐怖譚として終わらせず、時に可笑しく、時に涙させる場面さえあります。作品の中の台詞に『苦労の多い人間は、それは神様に愛されている証拠』というものがありますが、その台詞に、病に苦しんで亡くなった自分の両親を重ねて泣きました…
登場人物も個性的で、中でも佐治さんの、お妖さんへのベタ惚れっぷりが可愛らしい…あれだけ怪異に振り回されているのに、その元凶たるお妖さんから離れない彼の、その一途さと強さには脱帽です。
1巻だけのつもりが、あまりの面白さに、何巻も購入してしまった…その面白さが恨めしい…
でも買って損は無い!断言します。 -
どこに惚れたの?2014年10月26日ハーレクインでは定番の、傲慢大富豪と美しいイギリス女性のお話です。
この作品の男主人公・キュロスは、数あるハーレクイン作品の中でも屈指の傲慢かつ自己中です。良いのは容姿だけ?主人公たるアリスは惚れた弱みで、その彼の強引さにブンブン振り回されます。たまにイライラするほどに。でもまあ結果はハッピーエンドだからいいか。
ストーリーはというと、ドロドロの昼メロ展開を期待する向きには、多少物足りないのではないかと思われます。王道展開なうえに、アリスがキュロスのどのあたりに惚れたのか、全く読み取れない。
でも彼女の健気さに免じて、☆2つ。 -
宇宙一アホカワイイよしこと犬。2014年7月12日この作品を購入したのが母の四十九日法要が終わった午後…哀しみで胸がいっぱいだったはずなのに…笑う気になんてなれないはずなのに…
読んで大爆笑しました。お母さん、ゴメンナサイ。
そのくらいのパワーがこの作品にはあります。巻を追う毎に、主人公のよしこちゃんのアホパワーが凄さを増し、まともだったはずの周囲の人々をアホの底無し沼に引き摺り落とします。
また、作中よしこちゃんのセクシー(?)サービス多々ありますが、全くエロくありません。全裸シーンもあるというのに…宇宙一のアホ故でしょうか。
そして特筆すべきは、幼なじみのあっくんでしょう。作中、彼だけが、よしこちゃんの無敵のアホパワーに全く動じませんが、極度のシスコンと犬との密かな友情を見る限りでは、彼もアホの部類に違いないと思われます。
つまり、誰一人とてまともな人物は登場しないという事です。
立ち読みが出来ないので、他のレビュアーさんの評価を信じ、購入しましたが…当たりでした。買って損はありません。おススメですよ。 -
ほっこり💗2014年6月21日過去のトラウマに悩まされる二人が出会い、その傷を乗り越え、癒えた心に愛情が育つ…そんなお話です。
突拍子もない設定に、泥沼を予感させる物語の出だしながら、終わり方はほっこり…私をはじめ、ドロドロ展開を期待される方には少し物足りないかも。もう少し、あらすじにあるような設定を生かしても良かったんじゃ…
ともあれ、可愛らしい絵柄と相まって、読後感はふんわりした優しい感じです。良い作品ですよ。
イタリア男の歯の浮くような台詞と(それでこそハーレクインだけど)、ラストの二人の再開シーンが、まるで日本の怪談の『むじな』を彷彿とさせるのを除けば( ´∀`) -
気付け!ボス!2014年5月11日長年ボスに片思いの秘書と、そんな秘書を女性として見ないボス…ハーレクインの使い古…いえ、王道設定の物語です。
ひょんな事からとんでもない計画を実行する羽目になった二人ですが、その辺りからボスの感情に微妙な変化が現れて…まさに王道展開。原作の方はわかりませんが、日本の漫画家さんが描くボス×秘書ものって、コメディタッチが多い…この作品もコメディタッチ。脇役キャラがまた絶妙な隠し味になっています。
この作者の作品は何度か購入しましたが、絵もキレイでストーリー構成もしっかりしていて、読みやすいです。
どろどろの展開はありませんが、読後感はほんわかと温かい感じです。買って損無し。オススメですよ。 -
お梛さん可愛い😊2014年3月4日流れの忍び・変化のお梛が、恋人の京也とともに、江戸の様々な事件や謎を解決(たまにややこしくもする)する、痛快微エロ忍者アクションの第5弾です。
第1弾からずっと読んで来ましたが、パワーは全く衰えませんね。それどころかどんどん面白くなってます。ずいぶんレギュラーの登場人物も増えましたね。
主人公のお梛さんはもちろん、京也も上様も、大奥の方々やお庭番の三姉妹も、揃いも揃って魅力的。特にお梛さんたら、回を追う毎に可愛らしくなっています。
第1弾は、忍びという設定のせいか、少し冷たい感じの、隙の無いイメージがあったんだけど…読んだのはだいぶ前だから定かではありませんが。
これが2、3、4と続くうちに、美しさと強さを兼ね備えた、可愛らしいお茶目さんになって来ます。美味しいお菓子目当てで大奥に入り浸るなんて、忍びとしてどうなの?ってな感じに。
それでも『江戸に蔓延る悪は許さない』という姿勢は変わらない。時に空回りに終わってしまう程のその熱さが、彼女の最大の魅力です。
かなりエロティックな作品を数多く手掛けている作者さんですが、この作品は、そういう描写もあるものの、比較的大人しめです。その描写を期待される方には不向きかもしれません。
どの巻から読んでも楽しめますが、より深くキャラクター設定や彼らを取り巻く背景をさし知りたい方は、第1弾から読むと、より楽しめると思います。
どうやら次回でこのシリーズは最終章を迎えるようです。少し寂しいな… -
面白い!2014年3月4日ごくごく普通の一般人が、ひょんな事から芸能界入りし、様々な試練を乗り越え、その頂点を目指す…
漫画の世界で、それこそかなり使いふるされたベタな設定…この作品も、その点はかなりベタです。
が………!さすがは大御所、佐伯かよの先生。そのベタな設定を、ただのベタでは終わらせない。
まず、他の芸能界漫画ではあり得ないキャラクターの設定。読み始めた時は『これファンタジー?』と勘違いするような、主人公・あやちゃんの秘密の能力。この異様な設定を、どうやって芸能界物に組み込んで行くのか…途中、この能力が作品に生かされていなそうな雰囲気もありましたが、 そこら辺が大御所、多少強引ながらも、最後はちゃんと生かされてました。
そして登場人物に、誰一人として悪人がいない。多少悪人の要素を含んでいる、ライバル会社の社長とマネージャーさえも、作者のご都合主義的展開を抑える役割まで果たし、憎めない存在に…
こんなに良い人達ばかりで、過酷な芸能界を生き抜いていけるのか?まあフィクションだし。
とにかく、多少作者のご都合主義的な展開で話は進むし、絵も美しいけれど古さもある、ラストはやや駆け足な感じでもありますが、それらを差し引いても充分楽しめる作品です。ぐいぐい引き込まれて、気が付けば全巻買い。読後感は爽やかです。オススメですよ。 -
ポイント…2013年10月19日あまり辛口の評価はしないと自分では思っていますが…今回はハッキリ言っちゃいます。
あまりにもひどい。ポイント損した感がハンパない。
ストーリーはハーレクインによくある、過去の事件や誤解からすれ違う恋人達という設定。
今作品は、その王道とも言える設定に濃い目の味を付けた、私好みのドロッドロの展開になる………と思ったら!!
あまりの展開の速さに、せっかくのドロッドロ味が無味に!!私の読解力が無いせいなのか、それとも作品のページ数が足りないのか、二人の気持ちのやり取りも過去の事件?の背景も良く理解出来ないうちに、超高速でストーリーが展開して行きます。したがってストーリーに奥行きを感じないし、全く登場人物達に感情移入出来ません。
絵も綺麗ですが、このジャンルに向いていない気がします。 味方であるはずの人物の顔も悪人に見える箇所が随所にありました。
別の作家さんなら、もう少し上手にまとめる事が出来たんじゃないか…失礼ながらそんな事まで考えてしまいました。 -
チーハン(笑)2013年9月15日言わずと知れた話題の名作『進撃の巨人』のパロディです。笑えます。
巨人への憎しみゆえにちょっと暴走気味のチーハン…間違えた、エレンや、引きこもりの超絶運動音痴のアルミン、エレンの事となると狂暴性を帯びるミカサ、食べ物さえ与えれば百人力のサシャ…オリジナルのキャラクター設定やストーリーに忠実ながら、それを中学校生活に置き換える辺りは、見事としか言い様がありません。
そして…オリジナルではあれだけ醜怪でおぞましい巨人が、こちらでは可愛らしささえ感じる存在に…もっと巨人のシーンを見たいくらいです。
オリジナルの殺伐とした世界観に疲れたら、こちらを読んでみるといいかも。オススメです。
オリジナルの方も、これくらい平和な世界になるといいな… -
恋する二人が大迷走2013年9月15日わけがわからないほど傲慢なヒーローを描かせたら、この作者さんの右に出る人はいないんじゃないでしょうか?
この作品も、ヒーローはかなり傲慢。そんな人格に形成される理由もあるにはありますが、こんなのが身近にいたら、私なら、惚れるどころか完膚無きまでにぶん殴りますね。高確率で。
しかしヒロインは殴るどころかベタボレで、このトンチキヒーローの超絶勝手な要求に振り回されます。そうでなくてはハーレクインじゃないんだけど…
ヒロインが振り回されて涙にくれ、もう一方のトンチキヒーローもまた『自分の勝手な理屈』で右往左往し、嫌が応にもストーリーを盛り上げてくれます。何なんでしょう、この恋人達は。
こんな事を書いていますが、本作品はギャグ漫画ではございません。極めてドロドロ系のハーレクインでございます。ラストはハッピーエンドですから、これから購入される予定の方、ご安心を。 -
幸せな結末2013年9月15日過去の経験から心に傷を負った二人のお話です。
ハーレクインではお馴染みの設定・契約結婚からストーリーが展開していきます。
しかし設定はお馴染みでも、二人は始めから両思い。この辺りはお馴染みじゃない。なら契約結婚なんか切り出さなくてもええやん…と、思われますが、様々なトラブルや過去のトラウマも手伝って、この形の結婚をせざるを得ないんですね。
ストーリーもドロドロ展開でなく、スッキリと読めます。絵もきれいだし…ただ、きれいな絵で半減されてはいるものの、あまりにもヒロインがかわいそうで、目を背けたくなるシーンもあります。同じ女として、哀れで胸が痛くなりました。
まあその分だけ、ラストはもんの凄く幸せになるんだけど。読んでいて気持ちが温かくなるラストでした。 -
理解不能。2013年8月14日とてもハーレクインらしい作品です。
悲しい過去を持ったヒロインと傲慢な大富豪の、王道なストーリーです。購入した事さえ記憶から消えていた程に王道で、印象が薄いです。
そして数多いハーレクイン作品の中では1、2を争う程に登場人物に共感出来ない作品です。
ヒロインは良い子過ぎてイライラするし、勝手に誤解してヒロインに当たり散らし、『おい、そんな簡単な事で誤解解くのか』とツッコミたくなる程のヒーローのバカっぷり…こんな男のどこに惚れられるのか…理解出来ない。
絵はキレイですが、いささか子供向けの絵柄のよう…滅多にこんな辛口なレビューはしないんですが、☆1つで。 -
絵はキレイだけど…2013年8月7日とてもあっさりした作品です。絵の雰囲気もそうさせているのでしょうか、実に薄味です。多分別な作家さんが書いたら、もっとドロドロになりそうな内容なんですが。
誤解されて捨てられ、未婚の母になったヒロインのお話です。いやあ、あのシーンだけであそこまでヒロインを憎めるヒーローもですが、あれだけの仕打ちを受けながら、全て許して受け入れるヒロインも、すごいと言うか…あり得ない。現実には絶対いないよ、こういう人。
まあ、愛ゆえに、なんですかね。フィクションだし。
それでも実力のある作家さんなので、すんなり読めます。
だけど、上記の違和感がどうしても拭えないので、☆3つ。 -
ハーレクインらしからぬ…2013年8月4日数あるハーレクイン作品の中では珍しい作風です。
まず、この作品の男性主人公には、顔と気弱とも取れる優しさ以外に、全く取り柄がありません。
『美形』『大富豪』『自信家で傲慢』な男性との非現実的な激甘ロマンスが特徴のハーレクインでは、かなり珍しい設定ではないでしょうか。
その何も持たない主人公・ウィルが、その美貌を駆使し、財産家の娘と婚約するところから物語は始まるのですが…そのヘタレっぷり…いやいや、優しさゆえに詰めが甘く、彼の思う通りに物事が進まない。
そんなこんなで彼は、全く考えもしない事態に陥りつつも、愛すべき女性と出会い、幸せな結末に…
と思ったら、またその優しさゆえに、その愛を手放してしまいそうになります。まあ、物語の全ての事態は、彼の優しさに起因しているわけですが…
しかしそんなヘタレな彼も、愛する人達の為に、暴漢相手に戦いを挑んだり、冷酷な社交界にハッタリをかましたり、俄然強くもなれます。散々な結果に終わる事がほとんどですが、女なら、自分の為にあれほど必死になってくれる男がいたら…惚れちゃうよなあ…
ともあれハーレクインならではのハッピーエンドですから、安心して読めます。ドロドロの展開好きな私には少し物足りない感があるので、☆は4つ。 -
やられた…!!2013年7月4日ご注意下さい。
登場人物、とりわけ男性陣の表情にキュン死する恐れがあります。私?もちろんしましたよ。
特に1話目、無愛想でつっけんどんなフィンが見せる笑顔や涙に、血圧と心拍数が急激に上昇します。それらがまた絶妙なタイミングで随所に散りばめてあります。
あ、言い忘れました。全く別の話が2話収められています。
2話目も素敵なお話ですが、私個人は1話目が好きです。イジーとフィンの掛け合いや、可愛らしい双子ちゃん達とのふれあいがとても良い。
ストーリーもテンポが良く、絵も丁寧だしキレイだし、とても読みやすいですが、登場人物達の頭の割合が、体に比べて大きいような…ちょっと気になりました。
でもとても面白かったですよ。 -
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これは面白い✨2012年11月2日褒めすぎではないと思います。かなり面白い作品です。
言わずと知れた徳川二代将軍秀忠の正室・江(お江与の方)のお話です。
天下統一の志半ばで本能寺に倒れた伯父・織田信長の怨念をその身に受けた江の、人として、女として、母としての葛藤が、史実と幻想を上手く織り混ぜながら描かれています。
有名な江とお福(春日局)との確執や、世継ぎ争いの顛末などを、『魔王の燠火』なる不可解な現象に絡めるという、何とも斬新な解釈というか…作者さん、構成が上手すぎる。
この作者さんはエロティックな作品を多く描かれている方ですが、ただのエロい漫画に終わらず、魅力的な登場人物と息もつかせぬストーリー展開で、どの作品もやけに印象深い物ばかりですが…この作品はその中でも最高傑作と言っても過言ではないと思います。ただ、エロを重視する方には、この作品は物足りないかも…
多少ご都合主義な展開でもありますが、それが気にならないほどに読後感は爽やかです。妙に感動します。パック買いしても損は無い!!
ただ、『魔王の燠火』が織田家の末裔のフィギュアスケート選手・信成くんに受け継がれていない事を願ってやまない… -
絵は綺麗✨2012年2月5日絵は綺麗です。人物の表情の描き方に起伏が見られませんが…
お話は長編シリーズの中の一つです。前後の話を知らないとなかなかストーリーが理解しづらいと思います。この作品だけの購入でも楽しめるようにとの作者さんの努力はうかがえますが…
個人的にどうしても気になった箇所が…
まず一つ。作品の重要な鍵を握る人物が作中亡くなりますが、その人物の経歴や人格、どの程度事件に関わっているかがわかりにくかった…
そしてもう一つ。登場人物のセリフに『~とゆう』と多用されていますが、あれは『~と言う』が正しいのでは?などと重箱の隅を突っつく的な事を考えてみたり💦💦
気になるくらい多用されていたので…
なので評価点2つ。いいね
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…………へ?2011年3月2日
話数がないせいなのか…
何かこう物足りない…『え?もう終わり?』的な読後感です。
この作者さんの描くお話は好きで大体読んでいますが、今回は残念な感じです…
惹かれ合う2人が、王家に生まれた者の責務やら義務やらで結ばれる事が出来ず、その辺りは『どうなるの?どうなるの?』とドキドキさせられます。
結局2人はうまく行くんですが…何だか婚約者の不幸を踏み台にして(いくら悪人だからって)、万事丸く収まっちゃった感じが…せめて婚約者は王位継承不適合者とかで、継承権剥奪か国外追放程度にしてほしかった…
でも主人公は健気で可愛いし、互いに惹かれ合う課程はきちんと描かれていて良い感じですよ。