キスする2人、しない2人。

心の揺らぎって、ふとした瞬間に本人が気付かないうちに起きているのかも知れない。それが何なのか分からないまま惹かれて、心に引き摺られる様にして身体も持っていかれて。後でとっても苦くて大きな代償を払う事になるなんて その時は考えもせずに… 幼馴染みで中学から付き合っている夏樹と新は 思春期に濃密な時間を過ごしたんだろうな～と想像させるリバップル。甘くて平和な2人だけの世界から 進学を機に一歩外に踏み出して、新しい環境や人間関係に馴染む前の少し不安定な時期に年上の男の包容力に触れてしまったら… 男前の漢で「抱かれたい」と本能にクる男、実際に抱かれてみたら「こんなの初めて…」な衝撃に貫かれて身体が甘く痺れて… まぁ 分からなくもない、大なり小なり浮わつく事はありますよ。でも 百歩譲って新への贖罪の気持ちがあるならば、涼馬が後孔に残した痕跡を洗い流しておく位の事はしなさいよ！と思うのです。それを隠す為にタチにまわり新を抱く夏樹の心中を思うと薄ら寒くなり、狡いヤツだな～と呆れてしまう。それに新のテリトリーに何故行くかな？最後に欲を出し、言ってはいけない事を言い、最悪なバレ方をして恐怖に震える姿は滑稽で天誅が下ったとしか思えない。新の心が凍り付いた瞬間～「やれ」～指先から怒りと悔しさが滲み出る手を繋ぐシーンは秀逸で痺れました。目を潰すフルボッコに若干引きましたが、全てが繋がってしまったんでしょうね。ここで構成の上手さが効いてくる。Prologue1で新は涼馬と銭湯で出会い、デカさを知っているんですよね。半分しか口に入らない？→アイツのデカかったよな→そう言えば最近タチばかり→ ぶかぶか… 成る程。知っているだけにリアルに想像出来て残酷だよ😩「俺は愛されてた 一番大事な事を忘れてた」には違和感があって、自分がちゃんと愛していたかどうかでしょう？と言いたい。浮気をする、しないは自分次第だし。これで良いの？まぁ この道もアリか？と三者三様に思う所があるラストですが「しょーがねえなぁ」と飲み込んでくれた新の懐の深さに感謝かな？あれだけボコれば溜飲も下がるだろうし、何よりもやっぱり好き！と思える気持ちがあったからだよね。2人の人生を考えるとPrologue〈序章〉とEpisode〈挿話〉が終わり、Story〈物語〉はこれから始まる訳ですが、さてどうなるか。私は若い2人を応援したい。ダルダルになっても手を繋いでいて欲しいと思うのです😊