一目惚れという強い運命

ネタバレ

2023年7月26日

このレビューはネタバレを含みます▼ 大手製薬会社の主任研究員で仕事オタクの男が蜂に刺されてアナフィラキシーショックを起こし、βからΩに突然変異するお話。
オメガバースのお話にしては強い交配への渇望が薄めです。特に日比谷は科学ひとすじで恋愛には無縁な感じだったので、Ωになったことで色っぽい表情・顔つきになったのがエロくて良かったです。とはいえ、日比谷の戸惑いは大きく、それを献身的に支えた山木の覚悟は半端なものではなかったと思います。
その山木は小さい頃に日比谷に会っていて、彼を運命の人だと惚れ込みます。その頃はまだ日比谷はβでしたが、オメガバースの性を超える程に揺さぶられる相手に出会えたことがまさに運命だったんだなと思いました。その辺りのストーリー構成はとても上手いと感じました。
山木が実はαだったこと、篠田製薬の社長の息子だったことなどの壁が立ちはだかりますが、恋心を認識してからの日比谷はそれまでの絶望を逆手に取って前向きになるというつくりも読んでいて心地よかったです。
タイトルもとても意味深で、漫画全体を表すのに相応しい言葉のチョイスだと感心しました。オメガバースが苦手な人でも納得の展開が楽しめるお話だと思います。

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らんこさん

(女性/40代) 総レビュー数：81件

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