拝啓「氷の騎士とはずれ姫」だったわたしたちへ
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拝啓「氷の騎士とはずれ姫」だったわたしたちへ

由姫ゆきこ/八色鈴

とんでもない設定なのにすごく泣ける

ネタバレ
2023年7月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 現実ではありえない形で主役の2人がすれ違い、びっくりするくらい悲惨な運命を辿る事になるので、冷静に考えるとツッコミどころは多数あるとは思います。でもこのお話の素晴らしい所は、それはそうとしてお話そのものに没頭出来る所だと私は思います。作者様のストーリーテラーとしての手腕が素晴らしいのだと思います。6巻読了時点、ここから大荒れの予感しかしませんが、これからも応援したいです。
蛇足ですが、個人的に色々と気になり連載中のWeb版も読んできました。コミカライズではオスカーの塩対応が凄まじいですが、Web版だとオスカーは空回りしつつも照れながらリデルへの贈り物を一生懸命選んでいたり、体を重ねる中で(一度で終わっていない)彼女に自分をもっと求めて欲しいと願っていそうな描写があって、さらにぐっときます。その中で、どうやら2人の仲が進展することを阻むための内部犯がいたような示唆があって(上記の贈り物がわざと捨てられていたり、リデルがそれを全く知らなかったりする)、マデリーンはそれにまんまと乗せられて暴走していた、という事がわかります。もっと言うと、誰の指示で誰がやっていたのかなんとなく想像がつきます。そういう事を踏まえてこのコミカライズを読むと、お話に奥行を感じ、実は既に様々な伏線というか、ああ、なるほどそういう事か・・!という気付きがあって、私は良かったです。ただ、ストーリー構成がかなり大きく違うので、もはや別物と思った方が良いのかな?物語の進度も違うし。どちらも目が離せません。
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