子供は止まらない
」のレビュー

子供は止まらない

菅野彰/二宮悦巳

あー!懐かしい!

ネタバレ
2023年7月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ もう20年以上前の発表作品になるのですね、この作品…!(更に菅野先生の原作はもっと以前!)
下町に暮らす5人の姉兄弟。両親は既に他界しており、兄弟の姉は失踪。うんとシリアスになってもおかしくない設定なのに、コミカルに物語はすすみます。
けれどそれだけでは済まさない。
冗談めかした言動で幼さを装う大家族の中の末っ子、まゆたんこと真弓。家族が触れない過去の事件にまつわる心のわだかまりを、長兄大河の想い人である秀の連れ子勇太が見つけて暴いていく…この末っ子カップルの馴れ初めがたまらなく好きです。
近づこうとすると逃げる、すぐケンカになる、知られたくないのに知ってほしい。複雑な心情が痛々しくも描かれる。2人の強さと弱さ、しなやかさと脆さ、補い合って支えながら、互いに甘えず自立する方法を探る姿。瑞々しくて眩しい。読むと今もキューンとします。
度々出てくる裸足の真弓。勇太が真弓を「見つけた」このシーンは、シリーズ前作のお話に収録されています。だから結局、前作も買っちゃうんだなあ。

原作もコミカライズも実家に置いてきてしまったけれど、無性に読みたくなってCharaのセールを利用してこの度再購入しました。私が商業BL作品にハマるきっかけになった思い出深い作品。
今ほどではないながらも、いくつか出ていたBL雑誌に連載中だったこの末っ子カップルから目を離せず、シリーズもので前作があることを分かっていたけれど、まずはこちらから読了したのでした。
二宮先生の絵がまたよくハマっているんですよね。現在も原作が超長寿作品として継続中だと知ったのは最近です。次男の明ちゃんのお話まではもっていますが、コミカライズもここまで。
気長〜にコミカライズ続編も待っていてもいいかなあ?読みたいな。
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