おかえりオーレオール
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おかえりオーレオール

高津

読後穏やかで満たされた気持ちに

2023年8月2日
表紙のように、キラッキラ明るく眩しいDKものかと想像していたら、ちょっと違ってた。

幼馴染の高校生、カズとモト。
ある時からモトを意識するようになったカズの、嫉妬や苛立ちや、やるせなさに、彼の家庭環境も合わさって、切なくて苦しくて、胸がきゅっと締め付けられるようだった。
ただ、モトが終始穏やかなのが救いで、
モトが拒否したり、付かず離れずしながらも、2人の関係が断絶されないのがよかった。

4年かけて諦める準備をしてきたカズ。
4年かけて少しずつ熟すように、カズの気持ちに追いついてきたモト。
じんわりとした感動を誘う……あーすごくいい。
全編通してすごい事件とかがあるわけでなく、キス(しかもラブの意味じゃない)以外もないけど、2人の心の変化や揺らぎ、成長がゆっくり丁寧に日常を切り取りながら描かれていて。
最後はとても暖かで穏やかな気持ちになれるラストでした。

***200P
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