このレビューはネタバレを含みます▼
全般的に穏やかなのに、じんわりと切ない。絵津鼓先生らしい繊細さに溢れた作品。
幼馴染み、大悟のことを14年間ずっと想い続けている澄春。ノンケだと知っているから、想いを告げたこともない。仲のいい友達でいられる、それで十分。
それでもことあるごとに恋心に望みがないことは分かっていて。ある日、祖父の不思議アイテムでその想いを消せることを知る。
いやぁ、なんかね。切ないです。密かに想い続けていた14年を捨てようと、誰にも告げず捨てようと思うに至った胸中を思うと。泣けてきましたよ。誰も悪くないのだけど。
恋心のなくなった澄春を見て、複雑な思いになる大悟がいい。たまらないですね、このあたりのお話の作り方のうまさ。
大々的なハピエンとかでもなく、ごく自然な形で関係が変わっていくのがよいです。きゅうと胸を締め付けられる切なさと優しい展開にほっこりします。
14年は長いよね~