短編だけど、良い





2023年8月2日
鴨宮は同じ競技者として、誰よりも走れなくなった熱海の悔しさを知っている。羽根をもがれた鳥か。あるいは、ヒレを引き裂かれた魚か。それなのに、…悔しいはずなのに諦めてしまった気持ちはわからない。自分よりも誰よりも早く走れるはずなのに。そんなの本当は本人が一番わかってる。本当の気持ち、誰にもぶつけられなくて、苦しくて何も紛れなくて。そんな藻掻き苦しんでいる熱海に、自分の傷を引っ掻きながらも本音を、鬱憤を、葛藤を、引き出してくれた鴨宮に、ほどけていく。そんな高校生の話。

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mimoza さん
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-サイレント- さん
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